足場は屋根塗装にマスト!必要な理由3つと注意点6つを紹介
執筆者:ペイントセレクト編集長
塗装業界での長年の工事経験を元に、外壁塗装に関するお役立ち情報を発信中。読者様に正しい情報を届け、塗装に満足してもらうのが私の使命です。
屋根塗装の見積書を見て、足場代が高いと感じたことはありませんか?
・屋根塗装に足場は必要なの?
・足場ではなくはしごではダメなの?
・少しでも安くする方法はないの?
このような疑問を抱いた人は少なくないでしょう。高額の費用がかかる屋根塗装。「なるべく安い費用で工事をしたい」と思う気持ちもよく分かります。
しかし、
屋根塗装に足場は絶対必要です。足場を設置しなければ安全な作業がおこなえず、作業品質や仕上がりに大きく影響します。
影響は自宅だけではありません。近隣住民へ迷惑をかけてしまう恐れもあるため、屋根塗装において足場は重要なものと言えます。
この記事では、屋根塗装に足場が必要な3つの理由と、足場設置の6つの注意点を紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
もくじ
屋根塗装に足場は絶対必要!その理由とは?
高所作業の屋根塗装に足場は絶対必要です。はしごだけでは安全性や作業性を確保できず、施工不良が起きる可能性が高くなります。
足場には主に4つの種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
足場の種類 |
特徴 |
クサビ (ビケ)足場 |
・一般住宅にもっとも多く 使われている足場 ・踏み板の幅が広いため 作業しやすい ・足場設置には最低 90センチメートルのスペースが必要 ・設置時の金属音が 響くことがデメリット |
単管ブラケット 足場 |
・ビケ足場の次に 多く使われている足場 ・踏み板があるため作業しやすい ・40センチメートルあれば 設置できるのでせまい場所に最適 ・うまく組まないと 揺れやすいことがデメリット |
単管足場 |
・単管(鉄パイプ)のみで組む足場 ・踏み板がなく2本のパイプ の上に乗るため安全性が低い ・現在はほとんど使われていない ・足場を設置するスペースがない 場合に使われることがある |
屋根足場 |
・急勾配な屋根に設置する足場 ・屋根勾配が5寸以上あると 使われることが多い ・足元が不安定な屋根の上 でも安全に作業できる |
屋根塗装に足場が必要な3つの理由を、以下で詳しく説明します。
理由1.安全確保のために法律で決められているため
屋根塗装に足場が必要な理由1つめは、安全確保のために法律で決められているためです。
「労働安全衛生規則」では、2メートル以上の高所作業には足場を設置しなければいけないと定められています。
一般的な2階建て住宅の屋根塗装をする場合、作業する場所の高さは6~8メートルほど。さらに屋根には勾配があるため、足元が不安定になります。
また屋根塗装は、材料や道具を持って屋根の上に登らなければいけません。塗料缶は1缶20キログラムほどで非常に重たいもの。
このような重たいものを持ちながらの移動はバランスが取りづらいため、はしごで登るのは非常に危険な行為です。
このような危険を減らすために、屋根塗装には足場を設置するのです。足場を設置することで得られる安全性は、以下のようなものがあります。
- 足元が安定して安全に作業できる
- 材料の上げ下ろしが安全におこなえる
- 足を滑らせても掴む場所があるため落下を防げる
職人の安全性や作業性を確保してするために、
屋根塗装には足場が絶対必要なのです。
理由2.丁寧な屋根塗装をするため
屋根塗装に足場が必要な理由2つめは、丁寧な屋根塗装をするためです。
危険を感じたり無理な姿勢では作業に集中できず、仕上がりに影響が出る可能性があります。正しく施工しなければ塗りムラができ、施工不良につながる恐れも…。不安定な環境では、プロの職人でも思うように作業できないこともあるでしょう。
しかし、足場があれば
足元が安定して適切な施工をすることが可能です。丁寧な屋根塗装をしてもらうためにも、足場は必要になります。
理由3.汚水や塗料が近隣へ飛ばないようにするため
屋根塗装に足場が必要な理由3つめは、汚水や塗料が近隣へ飛ばないようにするためです。
塗装前に屋根の汚れを洗い落す高圧洗浄は、どうしても汚水が周囲に飛び散ってしまいます。また塗装時はどんなに丁寧に作業していても、塗料が飛び散ることあります。
このような問題を解消するために足場の周りに飛散防止ネットを張り、汚水や塗料が近隣へ飛ばないようにするのです。
汚水や塗料の飛散は近隣トラブルになりやすいもの。あなただけではなく、近隣住民も安心できる屋根塗装工事にするために、足場は必要なのです。
屋根塗装の足場設置にかかる費用はいくらくらい?
屋根塗装の費用の内訳は、以下の4つに分けられます。
- 材料費20%(塗料、飛散防止ネットなど塗装に使用するすべての材料)
- 足場費用20%(足場設置・解体)
- 人件費30%(職人、現場監督など工事に関わるすべての人)
- その他30%(交通費、燃料費、業者の利益など)
これら4つの内訳を合算したものが、総工事費用になります。総工事費用が70万円の場合、足場費用が14万円ほどなら適正価格と言えるでしょう。
足場の費用相場は1平方メートルあたり600~1,500円で、足場仮設面積を基に算出します。
- 足場仮設面積=(家の外周+8メートル)×家の高さ
- 足場費用=足場仮設面積×単価
一般的な30坪住宅で外周全面に足場を設置する場合は、15万円ほどかかることになります。
また、急勾配の屋根には「屋根足場」が別途必要になる場合があります。屋根足場の単価は、通常より200円ほど高くなると想定しておきましょう。
足場代が無料になることはない!
足場を組むためには国家資格保有者を設置する必要があるので、ほとんどの塗装業者は足場専門業者に依頼することが多いでしょう。そのため、
足場代が無料になることはありません。
塗装業者が自社で足場を設置したとしても、人件費はかかるので無料で提供することはムリです。
もしも塗装業者に「足場代を無料にする」と言われても、塗装代や人件費などを上乗せしている可能性が高いので注意してください。
足場代を少しでもお得にする方法はある?
屋根塗装は決して安い工事ではありません。誰しもが少しでもお得に工事したいと思うでしょう。
屋根塗装をお得に工事するおすすめの方法は、屋根と外壁を同時に塗装することです。屋根塗装も外壁塗装も、工事をするためには足場を設置しなければいけません。
屋根と外壁をバラバラに塗装すると、2回分の足場代がかかることになります。同時におこなうことで、1回分の費用でおさえることが可能です。
また耐用年数の長い塗料を使用して、次回の塗装までの期間を長くすることもひとつの方法です。
塗料の種類 |
耐用年数 |
20年間で行なう 塗装回数 |
ウレタン |
6~8年 |
3回 |
シリコン |
10~15年 |
2回 |
フッ素 |
15~20年 |
1~2回 |
無機 |
20~25年 |
1回 |
フッ素や無機など耐用年数が長い塗料は高価なため、どうしても初期費用はかかります。しかし長期的に見ると塗装回数が減り、総支出額で考えるとお得になるのです。
また屋根は、外壁に比べて劣化のスピードが早い箇所になります。同時に塗装するためには、それぞれに使用する塗料の耐用年数を考えて選ぶことが大切です。
なお、関西にお住まいの方でしたらペイントセレクトを利用してみてください。費用や工事の不安に対して、親身になって相談できる業者を見つけることができます。
相見積もりも簡単に取ることができるので、悪徳業者との契約リスクも避けることができます!
屋根塗装で足場設置するときに注意するべき点は?
屋根塗装で足場を設置する場合は、自宅や近隣に対するトラブルが起こる可能性があります。
万が一のときのために、瑕疵保険の加入や保証範囲を業者に確認しておくことが大切です。
以下では、自宅に対して起こりやすい3つのトラブルと、近隣に対して起こりやすい3つのトラブルを紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
注意点1.自宅に対して起こりやすいトラブル3つ
1-1.建物や車などが破損する恐れがある
足場設置するときの注意点1つめは、建物や車などの破損トラブルの発生です。
重くて長い部材を使用する足場設置。安全に配慮して作業していても、外壁や車などに当たって破損する恐れがあります。
移動可能な車や植木などはあらかじめ移動させておき、トラブルを回避しましょう。
1-2.空き巣が侵入しやすい状況になる
足場設置するときの注意点2つめは、防犯トラブルの発生です。
工事中は2階まで足場がかかっており、簡単に2階まで侵入できる状況になっています。飛散防止ネットが死角になることもあり、空き巣に狙われやすくなるのです。
工事期間中は、2階の窓のカギの施錠を忘れないようにしましょう。防犯センサーライトを設置して防犯対策してくれる業者もいるので、相談してみることをおすすします。
1-3.日常生活やプライバシーに関する問題がある
足場設置するときの注意点3つめは、日常生活やプライバシーに関するトラブルの発生です。
足場を設置することで、以下のような問題が発生します。
- 洗濯物を見られることに抵抗を感じて外に干せない
- 足場設置や解体時の騒音がストレスになる
- 部屋の中が見えてしまうのが気になりカーテンを開けれない
気にならない人もいるかもしれませんが、工事期間中は日常生活に支障が出る可能性もあると覚えておきましょう。
注意点2.近隣に対して起こりやすいトラブル3つ
2-1.足場設置の際の騒音トラブル
足場設置するときの注意点4つめは、足場設置の際の騒音トラブルの発生です。
足場の設置・解体時は部材をハンマーで叩くため、どうしても金属音が発生してします。そのため「睡眠の妨げになる」「音が響いて頭痛がする」など、クレームがくる場合があります。
屋根塗装工事がはじまる1週間前には「工事前のあいさつ」をして、近隣住民の理解を得るようにしましょう。
2-2.隣家の敷地内への侵入トラブル
足場設置するときの注意点5つめは、隣家の敷地内への侵入トラブルの発生です。
足場を設置・解体する際に、職人が許可なく隣家の敷地内に侵入してトラブルになるケースです。
隣家の敷地内に入らなければ作業できない、敷地を借りないと足場設置できない場合は、工事前に承諾を得なければなりません。
隣家へのあいさつは業者にも同行してもらい、専門的な観点から説明してもらうようにしましょう。
2-3.隣家の建物や車などの破損トラブル
足場設置するときの注意点6つめは、隣家の建物や車などの破損トラブルの発生です。
自宅に対するトラブル同様、隣家の建物や車などの破損も考えられます。このようなトラブルを防ぐために「工事前のあいさつ」をしっかりして、事前に移動してもらうようにしましょう。
塗装工事における近隣トラブルについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
参考記事→外壁塗装で起こりやすい近隣トラブル!よくある事例と対処法を紹介
まとめ:安全・丁寧な屋根塗装に足場は必要不可欠!「無料にする」の言葉に騙されないで!
職人の安全性や作業効率を高めるために、
屋根塗装に足場は必要不可欠なものです。足場費用は総工事費用の20%を占めるため、高く感じる人もいるでしょう。
しかし転落事故やトラブルなどが起こる可能性があると考えると、削ってはいけない費用と言えます。
また、足場代が無料になることは絶対にありえません。口では無料にすると言っていても、塗装代や人件費などを上乗せしていることがほとんどです。悪徳業者の言葉に騙されないように、注意してくださいね。
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なお、関西にお住まいの方でしたらペイントセレクトを利用してみてください。費用や工事の不安に対して、親身になって相談できる業者を見つけることができます。
相見積もりも簡単に取ることができるので、悪徳業者との契約リスクも避けることができます!