外壁塗装をするなら人気のシリコン塗料で!特徴や費用相場を紹介
執筆者:ペイントセレクト編集長
塗装業界での長年の工事経験を元に、外壁塗装に関するお役立ち情報を発信中。読者様に正しい情報を届け、塗装に満足してもらうのが私の使命です。
「外壁塗装はシリコン塗料が良い!」
そんな言葉を聞いたことはありませんか?
プロの塗装業者はもちろん、ネットで外壁塗装と検索すると
「シリコン塗料がおすすめ」という記事がたくさん出てきます。
シリコン塗料は、一般住宅の7割が外壁塗装に使用している人気の塗料です。
しかし、名前は聞いたことあるけど詳しい特徴は知らないという人も多いのではないでしょうか。
そのような人のために、この記事では人気のシリコン塗料について詳しくまとめました。
特徴や種類、メリットやデメリット、費用相場まで、シリコン塗料のすべてを紹介します。
外壁塗装を検討中の人は、ぜひ最後まで読んで参考にしてくださいね。
もくじ
外壁塗装のシリコン塗料とは?どんな特徴があるの?
シリコン塗料とは、その名のとおり「シリコン樹脂」を主成分とした塗料のことです。
もっともスタンダードで、外壁塗装に使用されることが非常に多い塗料です。
シリコン塗料はアクリル樹脂をベースとしており、その中にシリコン樹脂が配合されている構成になっています。
そのため正式名称は「アクリルシリコン」と呼びますが、耐久性の低いアクリル塗料とは別の種類の塗料になります。
外壁塗装に一般的に使用する塗料のグレードは、低いほうから順に1〜4となっています。
- アクリル塗料
- ウレタン塗料
- シリコン塗料
- フッ素塗料
シリコン塗料は2番目にグレードの高い塗料で、耐久性と価格のバランスが非常に良いことがシリコン塗料の最大の特徴です。
さらに外壁塗装だけではなく、付帯部にも塗装できることも特徴のひとつです。
シリコン塗料にはどんな種類があるの?
シリコン塗料には種類があります。
水性・油性、1液型・2液型で種類に分類され、ひとくちにシリコン塗料といっても耐久性や機能などの特徴が異なります。
最終的に、自分の自宅の外壁に適したタイプを選ぶのは、専門知識がないと難しいので、信頼できる業者にアドバイスを求めるべきです。
しかし、最低限の知識として、ここではそれぞれの種類の特徴を簡単に紹介します。
シリコン塗料の種類の説明の前に、一般的な塗料の構成について説明します。
塗料は以下の4つの要素から構成されています。
塗料の要素 |
役割・説明 |
|
1.顔料 |
塗料に色をつける成分 |
塗膜形成助要素 (塗膜としてのこらない) |
2.合成樹脂(主剤) |
塗料の主成分で耐久性が決まる |
塗膜構成要素 (塗膜として残るもの) |
3.添加剤 |
塗料を塗りやすく、乾きやすくする成分 |
|
4.溶剤 |
塗料を溶かして塗りやすくする成分 |
このあと種類については詳しく説明しますが、シリコン塗料の種類は、上記の表の
・「2.合成樹脂(主剤)」
・「4.溶剤」
に大きく関係しています。
シリコン塗料には「1液型」と「2液型」がある
シリコン塗料には「1液型」と「2液型」があります。
「1液型」と「2液型」の説明は以下のとおりです。
塗料の種類 |
種類の違い |
特徴 |
1液型 |
主剤の中に硬化剤が あらかじめ含まれている (主剤+溶剤) |
・混ぜる手間がかからない ・価格が安い ・2液型より耐久性が低い ・塗装できる箇所が限られている |
2液型 |
主剤に硬化剤を あとから混ぜ合わせる (主剤+硬化剤+溶剤) |
・耐久性に優れている ・塗装できる箇所が多い ・混ぜる手間がかかる ・1液型より価格が高い |
2液型は混ぜた瞬間から固まりはじめ、3~5時間後には完全に固まってしまいます。
そのため作り置きできず使用する分だけ混ぜ合わせなければいけないため、作業に手間がかかります。
1液型は主剤にはじめから適切な量の硬化剤が混ぜられているため、保管しやすく作業の手間もかかりません。
しかし2液型の方が耐久性が高こと、塗装できる箇所が多いことから、外壁塗装で使用される割合が多いです。
塗料の種類 |
塗装できる箇所 |
1液型 |
コンクリート・サイディング・セメントモルタル |
2液型 |
コンクリート・サイディング・セメントモルタル・ALCパネルスレート GRC板・押出成形セメント板・鉄部分・亜鉛メッキ銅・アルミニウム ステンレスなどの金属類 |
シリコン塗料には「水性」と「油性」がある
シリコン塗料の2液型には「水性」と「油性」の2種類があります。
「水性」と「油性」のちがいは溶剤の種類で決まります。
塗料の種類 |
溶剤の種類 |
特徴 |
水性 |
水 |
・臭いが少ない ・油性より価格が安い |
油性 |
シンナー ラッカーなど |
・臭いが強い ・水性より耐久性が高い |
塗料はそのままでは塗ることができないため、溶剤で溶かす必要があります。
塗料を塗った後に乾燥させると溶剤の成分が蒸発して、外壁材と塗料を密着させる働きがあります。
外壁塗装にシリコン塗料を使うメリットとは?
シリコン塗料は耐久度に信頼がある塗料です。
耐久性が高い理由は、シリコン塗料がもつさまざまな機能にあります。
水性のシリコン塗料 |
油性のシリコン塗料 |
・汚れがつきにくい ・長期間ツヤを保つ ・カビや藻の発生を防ぐ ・環境にやさしい ・紫外線や熱に強く耐久性が高い |
・紫外線や熱に強く耐久性が高い ・長期間ツヤを保つ ・雨水に強い ・塗料の密着性が高い ・アルミやステンレスに直接塗装できる |
この章では、外壁塗装にシリコン塗料を使うメリットを紹介します。
上記の機能がどのようなメリットをもたらすのか見ていきましょう。
メリット1:紫外線や熱に強く耐久性に優れている
外壁塗装にシリコン塗料を使うメリット1つめは、紫外線や熱に強く耐久性に優れていることです。
シリコン塗料の膜は、約600度の熱に耐えれる性能をもっています。
さらに紫外線にも強いため、日当たりの良い面や暑い地域の塗装にも適しています。
塗料の膜は紫外線や熱の影響で年々劣化し、剥がれや色あせなどの症状が起こります。
シリコン塗料の耐用年数は8~15年で、アクリル塗料やウレタン塗料と比べると1.5倍も長持ちするほど耐久性に優れています。
一度外壁塗装をおこなえば、外壁や建物を長期間劣化から守ってくれることがメリットのひとつです。
メリット2:雨や泥を弾いて美しさをキープする
外壁塗装にシリコン塗料を使うメリット2つめは、雨や泥を弾いて美しさをキープすることです。
汚れがつきにくい主な理由は3つあります。
- セラミック成分が配合されている
- 塗料の膜が固く撥水性がある
- 低電圧性で汚れがつきにくい
これらの効果により、雨や泥を弾いて外壁の美しさを長期間キープしてくれます。
さらにカビや藻の発生を防ぐ機能ももっているため、日当たりが悪い面や湿気が多い面の塗装にも適しています。
メリット3:長期間ツヤを保てる
外壁塗装にシリコン塗料を使うメリット3つめは、長期間ツヤを保てることです。
塗料の膜は、紫外線や雨水などの影響で年々劣化してツヤを失います。
シリコン塗料は、劣化後にどれだけ光沢が残っているかをあらわす「光沢保持率」が高いため、長期間ツヤを保つことができます。
アクリル塗料やウレタン塗料に比べてメンテナンス周期が長いため、メンテナンスの手間はかからないのに塗装したての美しいツヤを長期間楽しむことができます。
外壁塗装にシリコン塗料を使うデメリットとは?
シリコン塗料のメリットを理解できたなら、次はデメリットを理解しましょう。
良い部分だけを見ていては、納得する外壁塗装はできません。
あなたの条件や希望に合った塗料なのかを見きわめるために、この章では外壁塗装にシリコン塗料を使うデメリットを紹介します。
デメリット1:他の塗料に比べてひび割れが起こりやすい
外壁塗装にシリコン塗料を使うデメリット1つめは、他の塗料に比べてひび割れが起こりやすいことです。
塗装直後の塗料の膜はそれなりに柔らかさがありますが、塗装後10年程で固くなってしまいます。
そのため、ひび割れが起こりやすいことがデメリットです。
特に地震などの振動で建物が動くと、ひび割れを起こしやすくなります。
万が一、地震などの振動で建物が動いた場合は、外壁にひび割れが起こっていないかチェックすると良いでしょう。
デメリット2:塗り替え時の重ね塗りに注意が必要
外壁塗装にシリコン塗料を使うデメリット2つめは、塗り替え時の重ね塗りに注意が必要なことです。
シリコン塗料は、重ね塗りする塗料を弾く性質があります。
その性質を把握せずに重ね塗りしてしまうと、塗料の膜の密着性が悪くなり剥がれの原因になります。
しかし、シリコン塗料と相性の良い下地剤を使うことでデメリットを回避することができます。
シリコン塗料で外壁塗装する場合は、知識のある塗装業者に依頼するようにしましょう。
デメリット3:種類によって耐久性が異なる
外壁塗装にシリコン塗料を使うデメリット3つめは、種類によって耐久性が異なることです。
シリコン塗料の種類には「水性」と「油性」の2種類があり、「水性」の耐用年数は10年、「油性」の耐用年数は12~15年と大きく異なります。
また、シリコン含有率でも耐久性が異なります。基本的に価格が安いシリコン塗料は含有率が少ないため、使用は避けた方が良いです。
大手メーカー(日本ペイント・エスケー化研・関西ペイント)のシリコン塗料なら、安心して使用することができます。
耐久性の高いシリコン塗料は「大手メーカーの油性塗料」と覚えておくと分かりやすいでしょう。
激安パックを売りにしている塗装業者は、安い価格のシリコン塗料を使用している可能性が高いため必ずメーカーの確認をしましょう。
シリコン塗料の耐用年数と費用相場はどれくらい?
シリコン塗料の耐用年数と費用相場は以下の表のとおりです。
耐用年数 |
8~15年 |
単価(平方メートル) |
2,300~3,000円 |
費用相場(30坪) |
23万~30万円 |
費用相場(40坪) |
31万~40万円 |
費用相場(50坪) |
38万円~50万円 |
上記費用には、別途足場代・施工費・人件費・諸経費などがかかります。
徹底比較!シリコン塗料とその他塗料のちがいとは?
シリコン塗料は、耐久性と価格のバランスが非常に良い人気の塗料です。
では、その他塗料とのちがいはどのようなものがあるのでしょうか。
ウレタン塗料、ラジカル塗料、フッ素塗料とのちがいを見ていきましょう。
塗料の種類 |
耐用年数 |
単価(平方メートル) |
特徴 |
ウレタン塗料 |
6~8年 |
1,800~2,000円 |
・美しいツヤ ・ひび割れしにくい |
シリコン塗料 |
10~15年 |
2,300~3,000円 |
・汚れがつきにくい ・熱や水に強い |
ラジカル塗料 |
12~15年 |
2,500~3,000円 |
・紫外線や水に強い ・汚れがつきにくい |
フッ素塗料 |
15年~20年 |
3,500~4,500円 |
・耐久性が非常に高い ・熱や水に強い |
ラジカル塗料とフッ素塗料は耐用年数が長いことが魅力ですが、ラジカル塗料はシリコン塗料に比べて価格は高くなります。
シリコン塗料は、総合的に見ても耐久性と価格のバランスが良いと言えます。
シリコン塗料はこんな人におすすめ
ここまでシリコン塗料の特徴やメリット・デメリット、費用相場などを紹介してきましたが、それらをふまえて「シリコン塗料で外壁塗装することをおすすめできる人」をまとめました。
- 費用をおさえつつも耐久性を重視したい人
- 長期的なコストパフォーマンスを求める人
具体的なおすすめポイントを紹介します!
費用をおさえつつも耐久性を重視したい人
フッ素塗料は耐久性が高いけど費用も高い…と悩んでいる人には、シリコン塗料がおすすめです。
シリコン塗料は耐久性に優れた塗料で、種類によってはフッ素塗料に近い耐久性をもつものもあります。
種類も豊富なため、あなたの希望予算や条件に合ったものを選びやすいのもポイントです。
費用をおさえつつも耐久性を重視したい人は、シリコン塗料での塗装を検討してみてください。
長期的なコストパフォーマンスを求める人
シリコン塗料は、長期的なコストパフォーマンスの良さのも優れた塗料です。
例えば15年のスパンで考えたときに、ウレタン塗料とシリコン塗料ではどちらの方がコストパフォーマンスが良いのでしょうか。
下記の表で比較してみましょう。
塗料の種類 |
耐用年数 |
塗装回数 |
費用(1回) |
総額費用 |
ウレタン塗料 |
6~8年 |
2回 |
72万円 |
144万円 |
シリコン塗料 |
10~15年 |
1回 |
87万円 |
87万円 |
初期費用だけを考えれば、価格の安いウレタン塗料の方が当然費用をおさえることができます。
しかし15年のスパンで考えると、耐用年数が短いウレタン塗料は2回塗装しなければいけないため、総額費用が高くなります。
シリコン塗料は、初期費用ではなく長期的なコストパフォーマンスを求める人におすすめです。
まとめ:もう迷わない!外壁塗装をするならシリコン塗料で決まり!
いかがでしたか?
シリコン塗料の特徴やメリット・デメリットをお分かりいただけたかと思います。
シリコン塗料は種類が豊富なため、選ぶときに迷うこともあるでしょう。
そんなときは「大手メーカーの油性塗料」を選ぶというポイントを思い出してください。
激安パックなどに安易に飛びつかず、シリコン塗料の知識が豊富で信頼できる塗装業者に依頼するようにしましょう。
シリコン塗料は、耐久性と価格のバランスが非常に良い人気の塗料です。
費用をおさえつつも耐久性を重視したい人、長期的なコストパフォーマンスを求める人にはおすすめの塗料です。
もしも、どの塗料にしようかまだ迷っているのであれば、魅力たっぷりのシリコン塗料を検討してみてくださいね。
あなたの自宅の外壁塗装が成功することを願っています!