外壁塗装は下地処理で決まる!重要性・施工方法・費用を徹底解説
執筆者:ペイントセレクト編集長
塗装業界での長年の工事経験を元に、外壁塗装に関するお役立ち情報を発信中。読者様に正しい情報を届け、塗装に満足してもらうのが私の使命です。
失敗しない外壁塗装をするためには、良い塗料を使えばよいわけではないことをご存知ですか?
外壁塗装にとってもっとも重要な工程は「下地処理」です。
いくら良い塗料を使っても、適切な下地処理がおこなわなければ塗料の効果は発揮されません!
仕上がりの美しさはもちろん、耐久性にも大きく影響されます。
外壁塗装について詳しく知らない人は、下地処理の重要性を見落としがちです。
そこでこの記事では、下地処理の重要性や施工方法、費用相場などを徹底解説します。
見積りを判断するときや、業者を選ぶときの基準として、ぜひ参考にしてください。
もくじ
下地処理は外壁塗装でもっとも重要な工程!その理由とは?
外壁塗装の下地処理は、塗料と外壁の密着性を良くして長持ちさせるために重要な工程です。
下地処理を手抜きすると塗料の効果が十分に発揮されず、塗装数年後にはさまざまな劣化が起きてしまう恐れがあります。
せっかく高い費用をかけて外壁塗装をしても、耐久性が保たれなければ意味がありません。
どのような劣化症状が起きるのか、以下で詳しく解説します。
下地処理をしないと数年でさまざまな劣化症状が起きる!
適切な下地処理をおこなわないと、耐久性が悪くなりさまざまな劣化が起こります。
劣化症状の具体例には、以下のようなものがあげられます。
症状 |
影響 |
ひび割れの再発 |
下地処理でひび割れを補修せずに塗装すると、ひび割れの動きに塗料が耐えれな くなりひび割れが再発する |
塗膜の剝がれ |
外壁に汚れなどが残ったまま塗装すると、塗料と外壁の密着性が悪くなり剥がれ が起こる |
塗料の膜の膨れ |
下塗り材の乾燥不足が原因で、閉じ込められた水分が気化して膨れが発生する
|
サビの再発 |
下地処理でサビを落とされない、もしくは防サビ材がきちんと塗られないことで、 サビが再発する |
下地処理の有無だけで、わずか数年で上記のような症状が起きる恐れがあります。
それだけ外壁塗装にとって下地処理は、重要な工程ということなのです。
外壁塗装の下地処理ってなにをするの?種類と方法を紹介
下地処理は、外壁塗装のどの段階でおこなう工程なのでしょうか。
基本的な外壁塗装の流れは以下のとおりです。
- 足場設置・養生
- 高圧洗浄(下地処理)
- 下地補修(下地処理)
- 下塗り
- 中塗り・上塗り
- 点検・足場解体
上記のように、下地処理は足場設置と下塗りの間におこなう工程です。
下地処理である「高圧洗浄」と「下地補修」を適正におこなうかどうかが重要になります。
高圧洗浄 (外壁の汚れを落とす) |
高圧洗浄 |
下地補修 (ひび割れやサビを補修する) |
ケレン作業 |
クラック補修 |
それぞれの役割や作業方法を、以下で詳しく解説します。
下地処理の種類1:塗装面の汚れをきれいに落とす「高圧洗浄」
高圧洗浄とは、水の高圧力を利用して外壁を洗浄する役割があります。
汚れや古い塗料が外壁に残ったままでは、塗料と外壁の密着性が悪くなり耐久性が低くなる可能性が高いです。
高圧洗浄機を利用して、半日から1日かけて隅々まで丁寧に汚れを落としていきます。
落としきれないカビやコケはバイオ洗浄で対応
カビやコケは高圧洗浄だけでは落としきれない場合があります。
その際におこなうのが「バイオ洗浄」です。
バイオ洗浄とは、薬剤を散布して高圧洗浄では落としきれなかったカビやコケを洗浄する方法です。
薬剤を散布することでカビやコケの細菌を分解させ、塗装後もカビやコケが発生しにくい外壁に仕上げてくれます。
下地処理の種類2:サビを剥がして表面をなめらかにする「ケレン作業」
下地補修のひとつであるケレン作業は、高圧洗浄で落としきれなかったサビや汚れを落として表面をなめらかにする役割があります。
ケレン作業は、サビや汚れの度合に応じて4つの種類に分類されます。
それぞれの作業内容は、以下の表のとおりです。
ケレンの種類 |
サビや汚れの度合 |
作業内容 |
1種ケレン |
非常にひどいサビや汚れ |
化学薬品を使用 |
2種ケレン |
ひどいサビや汚れ |
サンダーなどの電動工具を使用 |
3種ケレン |
軽度のサビや汚れ |
ワイヤーブラシやナイロンスポンジを使用 |
4種ケレン |
サビはなく汚れのみ |
ペーパーやホウキを使用 |
サビの上から塗装すると、塗料の膜の下でサビが成長し続けていずれ塗料の膜を食い破ったり、塗料の剥がれや膨れが起きる恐れがあります。
サビだけではなく汚れも塗料の膜に影響を与えてしまうため、耐久性が低くなり長持ちしません。
塗料の効果を十分に発揮させて長持ちさせるために、ケレン作業は非常に重要な作業になるのです。
下地処理の種類3:雨水の侵入を防ぐ「クラック補修」
もうひとつの下地補修であるクラック補修は、外壁のひび割れを補修してひび割れの再発を防ぐ役割があります。
ひび割れたままでは、雨水の侵入と蒸発を繰り返し、塗料の膨れや浮き、剥がれが起きやすくなります。
クラック補修は、外壁材ごとで補修方法が異なります。
サイディング外壁とモルタル外壁のクラック補修方法を、以下で詳しく見ていきましょう。
3-1.サイディング外壁のクラック補修
引用元:木造住宅の外壁サイディングのクラック補修 大阪府大東市 K様邸 | 東大阪の外壁塗装はぬり太郎
サイディング外壁のクラック補修の手順は、以下のとおりです。
- ひび割れ部分をカットした後、汚れやゴミを掃除する
- プライマー(接着剤)を塗布する
- シーリングを埋めたらヘラで平らに整える
- 表面にモルタルを塗って平らにする
- 仕上げの塗装をする
サイディング外壁は、目地のシーリングも下地処理をする必要があります。
サイディング外壁のシーリング補修の手順は、以下のとおりです。
- 既存のシーリングをすべて撤去する
- 養生したらプライマー(接着剤)を塗布する
- シーリングで目地を埋める
3-2.モルタル外壁のクラック補修
引用元:モルタル外壁のクラック | g001@OKUTA |リフォーム・マンションリフォームならLOHAS studio(ロハススタジオ) presented by OKUTA(オクタ)
モルタル外壁のクラック補修の手順は、以下のとおりです。
- ひび割れ部分をカットして内部表面をなめらかにし、汚れやゴミを掃除する
- シーリングプライマー(接着剤)を塗布する
- 外壁よりも少し低くシーリングを埋めたらヘラで平らに整える
- 表面に防水モルタルを塗って平らにする
- 仕上げの塗装をする
ひび割れを放置しておくと、最終的に雨漏りを引き起こして建物が倒壊する危険性があります。
外壁塗装をするときはひび割れが起きていないかを調査してもらい、適切なクラック補修をすることが大切です。
外壁塗装の下地処理の費用相場はいくら?種類別に紹介
外壁塗装の下地処理の費用相場は、作業の種類によって異なります。
どのような下地処理をおこなうかで、外壁塗装全体の費用も大きく変動します。
以下では「高圧洗浄」「ケレン作業」「クラック補修」の費用相場を紹介します。
外壁塗装の費用の目安として参考にしてください。
種類1.「高圧洗浄」の費用相場
高圧洗浄の費用は、塗装する外壁の面積で算出します。高圧洗浄、バイオ洗浄の費用相場は、以下の表のとおりです。
項目 |
単価(平方メートル) |
費用相場(30坪) |
高圧洗浄 |
200~250円 |
2万~2.5万円 |
バイオ洗浄 |
250~300円 |
2.5万~3万円 |
塗料のグレードや金額を気にしすぎるあまり、見落としがちなのが高圧洗浄の費用です。
中には2倍ほどの見積り金額で提示してくる悪徳業者もいるため、目安として覚えておきましょう。
種類2.「ケレン作業」の費用相場
ケレン作業の費用も、高圧洗浄と同じように作業する面積で算出します。
ケレン作業は1~4種まであり、それぞれ手間や時間が異なるため費用も大きく変わります。
1~4種それぞれの費用相場は、以下の表のとおりです。
項目 |
単価(平方メートル) |
費用相場(30坪) |
1種ケレン |
2,000~3,000円 |
20万~30万円 |
2種ケレン |
2,000~3,000円 |
20万~30万円 |
3種ケレン |
600~1,000円 |
6万~10万円 |
4種ケレン |
200~400円 |
2万~4万円 |
一般住宅でおこなわれるケレン作業のほとんどが、3種ケレンか4種ケレンです。
1種ケレンや2種ケレンは公共施設などでおこなわれることが多く、一般住宅ならば外壁材を交換するほどの劣化になります。
悪徳業者はケレン作業を省く傾向があります。
見積り項目にケレン作業が記載されているか、きちんと確認しましょう。
種類3.「クラック補修」の費用相場
クラック補修は補修箇所の数によって金額が異なるため、目安となる単価を紹介します。
項目 |
単価(平方メートル) |
クラック補修 |
1,700~2,500円 |
また、サイディング外壁の場合は、シーリングの下地処理も必要になります。
シーリング補修の費用相場は、以下の表のとおりです。
項目 |
単価(メートル) |
シーリング打ち増し |
700~900円 |
シーリング打ち替え |
900~1,200円 |
クラックの種類は、塗料表面のみのひび割れから建物の構造に達するほどの深いひび割れまでさまざまです。
当然、補修内容も異なるため費用にも差が出ます。
適切な判断をしてくれる業者に見積りを依頼することをおすすめします。
適切な下地処理をしてくれる業者とは?業者選びのポイント2つ
いざ外壁塗装をしようと思ったときに悩むのが「業者選び」です。
外壁塗装は、見た目では判断しづらい作業がたくさんあります。
下地処理もそのひとつです。
丁寧な工事をしてくれる、良心的な費用、業者の対応など、決め手となるポイントはそれぞれあるかと思いますが、共通して言えることは「優良業者に依頼する」ことです。
では優良業者を選ぶためには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
以下では、業者選びのポイントを2つ紹介します。
ポイント1.適正な診断をしてくれる業者を選ぼう
業者選びの1つめのポイントは、適正な診断をしてくれる業者を選ぶことです。
- 外壁の劣化症状を的確に判断してくれる
- 外壁材に適した塗料の提案してくれる
- あなたの希望もふまえて提案してくれる
適切な判断をするためには、現場調査をきちんとおこなう必要があります。
現場調査にかかる時間は、一般的に1~2時間前後です。
しかし、1時間も経たないうちに終わってしまう現場調査は、詳しく調査できていない可能性が高く、手抜き工事をされる恐れがあります。
時間をかけて劣化症状や原因を突き止めてくれる業者を選びましょう。
また、費用が高すぎたり安すぎる業者も注意してください。
悪徳業者の可能性が高いため、必ず相見積もりをしてから決めるようにしましょう。
資格を持った専門業者や、調査報告書を作成してくれる業者は安心です。
ホームページや電話などで、どんな業者なのかを事前に確認することをおすすめします。
とはいえ、
・ホームページや電話だけではどんな業者かわからない
・いちいちホームページを確認したり、電話したりするのはめんどくさい
という場合もありますよね?
そんなときには、上記の条件を満たすような、優良業者だけを紹介してくれるサービスもありますので、合わせて確認してみましょう。
ポイント2.地元業者と大手業者の違いについて知ろう
業者選びの2つめのポイントは、地元業者と大手業者の違いについて知ることです。
たくさんの業者の中から選ぶことは、難しい部分もあるかと思います。
そこで、地元業者と大手業者のメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
地元業者 |
大手業者 |
|
メリット |
・中間マージンがないため費用が安く抑 えられる ・塗装業者と自宅が近所なのですぐに 駆けつけてくれる ・地域の気候などに合わせた塗装をして くれる |
・実績が多い ・施工体制や管理がしっかりしている ・保証もしっかりしているためトラブル対応力 がある |
デメリット |
・保証やアフターケアがない場合がある ・信頼できる業者をみつけることが大手 業者に比べて難しい |
・中間マージンがあるため費用が高い ・大手業者と下請け業者との間で伝達ミスが おこる可能性がある |
大手業者は実績が豊富なため安心ですが、地元業者でも職人歴が長ければたくさんの実績をもっている業者は多いです。
地域の特性にも詳しいため、気候や環境に合った塗装をしてくれるというメリットもあります。
また、業者を選ぶ基準のひとつとして、資格を所持しているかどうかを見るのもポイントです。
外壁塗装はただ単に塗料を塗れば良いというわけではありません。
知識や技術を要する作業になります。
外壁塗装に関する資格は「塗装指導員」や「塗装技能士一級・二級」があります。
これらの資格を資格を所持している業者は知識や技術が豊富な証のため、安心して工事を任せることができます。
それぞれのメリット・デメリットを知って、あなたの条件や希望予算に合った業者を選びましょう。
また、業者選びは難しいので、少しでも迷ったら業者選びのコンシェルジュをつけるのがおすすめです。
あなたの立場にたって、業者選びをサポートしてくれます!
まとめ:外壁塗装は下地処理で仕上がりも耐久性も大きく変わる!
外壁塗装の工程の中で、もっとも重要な工程と言っても過言ではないのが「下地処理」です。
適切な下地処理をおこなわなければ、仕上がりはもちろん、耐久性にも大きく影響して塗料の効果を十分に発揮できない恐れがあります。
せっかく高い費用をかけて外壁塗装したのに、塗装後数年で剥がれや膨れなどの劣化が起きてしまうのは、なんともやるせない気持ちになりますよね。
失敗しない外壁塗装をするためには、外壁の状態に合った下地処理をおこなってくれる「優良業者」を選ぶことが大切です。
実績が豊富、塗装指導員や塗装技能士などの資格を所持しているなどを目安にして、安心・信頼できる業者に依頼してください。
ペイントセレクトでは、この記事で紹介したような優良業者のみをコンシェルジュがあなたの希望に沿ってご紹介します!