【海沿い地域の塩害対策】塩害からお家を守る外壁塗料選び
執筆者:ペイントセレクト編集長
塗装業界での長年の工事経験を元に、外壁塗装に関するお役立ち情報を発信中。読者様に正しい情報を届け、塗装に満足してもらうのが私の使命です。
海辺の家は景色の良さ、敷地が広く取れることからお住まいの方も多いのではないでしょうか。非常に魅力的な海沿いの住まいですが、メリットも多いぶん、海沿い特有のデメリットも存在します。
海沿いの方は外装が塩害で剥げてきたり、錆付きがひどいなと感じることが、多いのではないでしょうか?
塩害は塗装の劣化を促進させたり、金属部を腐食させたりと、海沿いで暮らす方々の悩みの種の一つだと思います。
塩害は、海からの潮風によって引き起こされる建物の劣化です。潮風が運んでくる塩分が、お家の腐食やサビの原因となっている場合があります。塩害は建物の寿命を縮めることにつながり、大切な家を守るためにも、塩害への対策をしっかりとることが必要です。
こちらの記事では、塩害の対策を取るために、塩害を知りプロが教える塩害対策をご紹介していきます。
もくじ
塩害ってどうしておこるの?
海水に含まれた塩分が風に乗り、付近の電線や建物に影響を及ぼします。風によって運ばれるものを塩風害と呼びます。
塩害は主に海の近くの地域で起こります。海岸地方ではアルミニウム建材やアンテナ、あるいはコンクリート製の建材にまで塩害による劣化が見られることがあります。
さらに風の強い地域では、海の近くではなくても塩害の影響を受けてしまうこともあるのです。
海の近くの暮らしでは無視できない塩害。大切なお家を長持ちさせるためにも適切なメンテナンスが必要です。
住宅の塩害被害
モルタル造のお家さんは骨子として中に鉄筋が入っています。
鉄筋が塩分の影響を受けてさびてしまうことで膨張し、モルタル壁のひび割れや剥落(はくらく)を起こします。
モルタル内の鉄筋は、通常強いアルカリ性で保護された緻密な膜を形成しているので、さびにくくなっています。
しかし、経年劣化により外壁の防水効果が低下したところに、潮風にさらされ続けることで外壁自体の塩分濃度が上がっていきます。
そうして外壁に含まれる塩分が一定の濃度を超えてしまうことで、鉄筋を守っていた被膜も破壊され腐食が始まってしまうのです。
一度鉄筋の腐食が始まってしまうと、鉄筋自体が膨張し周囲のモルタルにひび割れを生じさせます。
そして、ひび割れた部分からさらに雨水や塩分が入り込むことで、より腐食が進むという悪循環に陥ってしまうのです。
一度塩害によって劣化が始まると、適切な補修がされない限り繰り返し劣化することも多いです。
上記のように内部が劣化してしまうと、単純に塗装や補修を行っても、再劣化する可能性が非常に高いです。塩害の多い地域のお家はその辺りを踏まえた対策が必要です。
塩害をうける地域
塩害をうける距離は海からどれくらい離れた地域なのか。
海沿いの地域が塩害が多い。とはもちろんのこと、具体的には海からどの程度の距離までが注意すべき範囲になるのでしょうか。
当然、海に近ければ近いほど注意が必要ですが、一般的には海から5km圏内が塩害が出やすい範囲です。
ところが、この5km圏外であっても塩害が発生する場合があります。風向きによってはかなり遠方まで塩分が運ばれるからです。
逆に、風向きのおかげで海の近くにもかかわらずあまり塩害が出ないというところもあります。
その土地が塩害を受けにくいかどうかを判断するには、いくつかのチェックポイントがあります。
・海から5km以上の離れている
・潮風のにおいがしない
・周辺の建造物の鉄部にサビが少ない
これらをクリアしていれば、とりあえずは安心だといえます。
しかし、天候や季節によって風向きは変わりますので、絶対に塩害が起きないという場所は存在しません、海が近いご地域さんは対策を考えておくことは必要ですね。
素材次第で被害度も変わる!塩害を受けにくい外装素材
塩害対策をするにおいて、屋根素材や外装素材は海辺のお家にお住まいの方がはじめに考えなくてはいけない部分となります。
ここでは塩害を受けやすい素材、受けにくい素材をご紹介していきます。
被害を受けやすい素材
・金属でできた素材
・トタン
・スチール
・金属系のサイディング素材
・ガルバリウム鋼板
・コンクリート
よく、ガルバリウム鋼板は塩害に強いといわれますが、ガルバリウム鋼板もあくまで金属であるため過度な期待は禁物です。
上記のような素材で家ができている方は、塩害対策の塗料を塗装するか、下記の素材の建材に交換するとよいでしょう。
被害を受けにくい素材
・樹脂サイディング
・木造
・天然の素材(石など)でできた素材
基本的には、金属が含まれていないものが多く挙げられます。
特に樹脂製サイディングは性能がよく、塩害に強い外壁の素材としてよく取り上げられています。
塩害をうける可能性が高いご地域にお住まいの方は、外壁の素材から考えてみてはいかがでしょうか。
今からでもできる!塩害の対策方法
外壁や屋根を塩害に強い素材に交換する以外にも、対策する方法はまだまだあります。
外装を守る為に海辺のお家ならではの対策をしっかり知っておきましょう。
定期的に清掃をする
単純ですが効果的、外壁などに塩分が付着している場合、ある程度自分で落とすことも可能です。
定期的に行わないといけないのが面倒ですが、外壁を水洗いをして清潔に保っておきましょう。
この際、タワシでこすったり、高圧の洗浄機を使ったりしてしまうと塗装ごと落ちてしまうことがあります。
清掃の際は、柔らかいブラシなどでゆっくり汚れを落としていきましょう。
外装の塗り替え
塩害地域の場合、外壁の塗装も比較的劣化しやすくなっているため、本来の耐久年数よりも数年早く、防水効果がなくなってしまうことがあります。
外壁が劣化して、ひび割れや剥落がおきてしまうと、外壁内部の木材や鉄筋を傷めてしまうので、早めの塗装工事が必要となります。
この塗装にも、塩害に強い塗料などがあります。海沿いなどの塩害地域に住んでいる方は、この塩害に強い塗料に替えると便利ですね。
また、これから塩害地域に家を建てるという方も、家の施工段階で塩害用の塗料を使用することがオススメです。建築段階から対策しておきたいという方は、塗料から対策しておくと今後が楽になるでしょう。
まとめ
海岸沿いや海の近くなどにお住まいの場合、どうしても考えなくてはいけないことが「塩害対策」です。
塩害は大切なお家を劣化させてしまうため、早め早めの対策をとっておきましょう
お家で塩害を受けてしまいやすい箇所といえば、やはり外壁と屋根です。
外壁をはじめとする外装は、海辺の家に住んでいるならとくに注意して対策をしなければなりません。
また、外装の塗装工事をおこなう際には、もちろん業者への依頼が必要となります。
業者に依頼する際は、塩害対策に慣れているかをしっかり確認し、複数の業者を比較して選ぶようにしましょう。
どの業者に連絡したらいいかわからない方でしたらペイントセレクトを利用して業者を探してみてください。
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