2色塗りで外壁塗装をスタイリッシュに決める方法とは?
執筆者:ペイントセレクト編集長
塗装業界での長年の工事経験を元に、外壁塗装に関するお役立ち情報を発信中。読者様に正しい情報を届け、塗装に満足してもらうのが私の使命です。
外壁塗装をただ1色に塗るのはつまらない、もっと個性的に、そしてスタイリッシュにしたい!そんなあなたには2色塗りの外壁塗装がおすすめです。2色塗りにもいろいろなパターンがあり、家の形や好みに合わせて選べます。
とはいえ、色選びに失敗してしまうこともあり得るのが、ツートンカラーの悩みどころでしょう。そこで、この記事では、色の法則や色に悩んだ時の考え方を紹介いたします!2色塗りの外壁塗装を考えているあなたにとって必読記事です!
もくじ
外壁塗装~2色塗りにしても費用は単色とほぼ同じ~
まずは、誰しもが気になるコストの面からご説明しましょう。
「2色塗りにしたいけれど、費用が心配…」と思う方もいらっしゃることでしょう。しかし、結論から言えば、1色塗りと2色塗りとで費用に大きく差が出ることはあまりありません。費用の差は、何色塗りかということよりも、塗料の素材に大きく影響されます。
外壁塗装の塗料には、コストの安い順に、アクリル系塗料、ウレタン系塗料、シリコン系塗料、フッ素系塗料、遮熱塗料、断熱塗料、光触媒塗料といった種類があります。この、塗料の種類によって単価が違ってきます。
ですから、外壁の素材や傷み具合によって、1階は安い塗料ですむけど2階は高い塗料で…となった場合に値段に差が出てくるのです。1色塗りか、2色塗りかだけではあまり差は出ません。
ただし、例外として2色塗りの外壁塗装でも、複雑な塗り分けが必要になることがあります。
たとえば、古い木造の軒裏など、細かい色の塗り分けが必要で、一気に塗装ができず、塗り終わったところに新しい色がつかないよう気をつけなればいけない場合です。そのケースでは、1色塗りよりも余計に費用がかかることを覚えておきましょう。
外壁塗装のツートンカラーはどう塗ればおしゃれに決まる?
ツートンカラーの塗り方には何パターンかあります。
- 1階と2階とで塗り分ける方法
- 縦のラインに塗り分ける方法
- ベランダなどの出っ張りを塗り分ける方法
- ワンポイントを決めてそこだけ違う色を持ってくる方法
などです。
それぞれ見ていきましょう。
①1階と2階でセパレートしてスタイリッシュに!
ツートンカラーでよく使われるのが、1階と2階とで色分けする方法です。1階に濃い色、2階に明るい色を塗ると、どっしりした安定感が生まれます。
逆に、1階を明るい色、2階を濃い色にしても、スタイリッシュに決まります。
黒、紺、茶などは落ち着いたイメージを出します。白、水色、淡いピンクなどはさわやかな印象を与えます。あなたの出したいイメージで色を選ぶと良いでしょう。
②縦のラインでセパレートしておしゃれ上級!
一つ上のおしゃれ上級の外壁塗装を目指すなら、縦の太いラインを入れてセパレートするのもおすすめです。家の側面の中央3分の1だけを他と全く違う色にすれば、アクセントができ、建物の印象をぐっと引き締めるでしょう。
例えば、白地に紺の縦のラインを入れればクールに決まります。ベージュの壁にピンクの縦のラインを入れれば優しい印象になります。
このように、縦のラインによるツートンカラーもおしゃれなのです。
③ベランダなどの出っ張りでセパレートして立体的に!
ベランダや出窓などの、出っ張っている部分だけ色分けするパターンの外壁塗装もあります。出っ張り部分に2色目を塗ると、立体感が生まれます。
特に、赤、ピンク、茶色などの暖色系を塗ると、色のマジックで、さらに立体感を出すことができます。暖色系とは、暖かいイメージの色のことで、立体感演出に用いるのはかなり効果的です。
④ワンポイントのセパレートで個性を演出する!
もっと個性的に2色塗りの外壁塗装をしたい!というあなたには、ワンポイントを入れる2色塗りがおすすめです。
例えば、1階と2階の間に横の太いラインを入れて、2色塗りにすることができます。
あるいは、下の写真のように、ベランダと建物の隅の一つだけに色を入れる、というワザもあります。
また、2色目で柄を入れる方法もありますし、玄関周りにだけ2色目を入れる、という方法もあります。
要は、センスさえよければ、何でもありなのが外壁塗装の2色塗りなのです。どこを個性を出すワンポイントに決めるかは、あなた次第です。
サイディングの模様を活かした2色塗りとは?
2色塗りは場所による色分けではなく、サイディングの模様を活かした2色塗りにすることも可能です。模様を活かした2色塗りに興味のあるあなたに向けて、2色塗りが映えるサイディングがどのように行われるかをご紹介します。
業者に依頼する場合でも、完成のイメージが湧きやすくなるでしょう。
①シーラーを塗る
まず、シーラーと呼ばれる、塗料をつきやすくさせる液体を塗っていきます。
②中塗り、上塗りをする
次に、目地の色で中塗り、上塗りと塗っていきます。ここまでは1色塗りの外壁塗装と同じ工程です。
③メイン色を塗る
上塗りの上から、短い毛のローラーでメインになる色を塗っていきます。この時、目地の色まで塗りつぶしてしまわないように気をつけながら塗ります。
結果、目地の色と上に塗った色とで2色になり、サイディングの凹凸を活かしたきれいな外壁塗装が完成します。イメージとしてはレンガ造りのようにも見えます。
手順は以上になりますが、このように目地を使って模様で2色塗りにすることが可能です。
自分でこの作業をこなすのは難しいため、サイディング模様を活かした2色塗りは、専門業者に任せるのがおすすめです。なお、サイディングの種類が特殊で手間がかかる場合には、1色塗りよりもコストがかかるので、その点は留意してください。
2色塗りの外壁塗装で知っておいて得する色の法則とは?
色を合わせるときには、法則があります。その法則から外れると、色選びに失敗してしまうというわけです。
色相環(しきそうかん)、という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。色を法則通りに並べて環(わ)にしたものです。赤、オレンジ、黄色、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫、そして赤に戻る、という環になっています。
2色塗りの外壁塗装の場合、この環の中からどの2色を選ぶかで成功と失敗が分かれます。
では、色選びのポイントを見ていきましょう。
次の①ベーシックカラー→②アソートカラー→③アクセントカラーの順に決めるとうまく決めやすいです。
①基礎となる面積の広い色~ベーシックカラー~
まず、基本となる色を選びます。家の一番面積の広い部分の色を決めるということです。外壁全体の60~70%を占める色ですので、慎重に選びましょう。
ベースとなるこのカラーには、原色をチョイスするのは避けたほうが無難です。原色というのは、赤、青、黄、のような、はっきりした個性の強い色のことです。
ベーシックカラーが原色の家は、どぎつい印象を与えてしまいます。スタイリッシュにいきたいなら、ベージュや白、アイボリー、薄いグレー、淡い水色や淡いピンクなどが良いでしょう。
②面積の広い色~アソートカラー~
次に、2色目を決めます。外壁の20~30%を占めるこの色を、アソートカラーといいます。
ベーシックカラーと相性のいいアソートカラーを選ぶのは大切です。2色塗りの外壁塗装がスタイリッシュに決まるからです。
後で詳しく書きますが、ベーシックカラーとアソートカラーが同系色ですと、心地よい配色になります。
③全体の引き締め役~アクセントカラー~
厳密に言うと、3色目になってしまうのですが、アクセントカラーというものがあります。全体の5~10%を占める色です。
アクセントカラーは、その名の通りアクセントになる色です。全体がぼんやりした印象の時にはぐっとひきしめてくれます。ベーシックカラーとアソートカラーのなじみがいまいちな時には、調和させてくれます。
たとえば、ベーシックカラーがアイボリーで、アソートカラーが水色の場合を考えましょう。アクセントカラーとしてここに紺色のラインを入れるなら、建物をびしっとひきしまった印象にできます。
アクセントカラーは、雨どいなどの面積の少ない所に塗ると効果的です。
2色塗りの外壁塗装の色選び!悩んだ時の4ステップ
色の法則が分かっても、いざ2色を選ぼうとすると悩むという人は大勢います。あなたもそのお一人なら、以下の4つのステップを試してみてください。
筋道立てて考えていけば、外壁塗装の色選びで失敗する恐れは少なくなるでしょう。
①周囲に調和させるのか目立たせるのか決める
②2色塗装はイメージカラーの同系色を選ぶ
③カラーサンプルは最低でもA4サイズで見る
④カラーシミュレーションをする
一つずつ詳しく説明します。
①周囲に調和させるのか目立たせるのか決めましょう!
外壁塗装を何色にしようか、と考えだす前に踏めるステップがあります。まずは、あなたの家を周りの景色に調和させるのか、それとも、反対に目立たせるのかを決めましょう。
たとえば、ご近所にはベージュ系のナチュラルな色の家が多いとしましょう。あなたの家を周りになじませたいなら、ベーシックカラーはベージュか白かアイボリーに、アソートカラーはオレンジか茶色になるでしょう。
逆に、あなたの家を目立たせたいなら、ベーシックカラーは水色かミントグリーン、アソートカラーは紺か抹茶色になることでしょう。
まず、着地点を決めてからそのイメージを表現する色を選べば、悩みは減ってくるというわけです。
②2色塗装はイメージカラーの同系色を選びましょう!
色の方向性が決まったら、次は実際にベーシックカラーとアソートカラーを選びましょう。この際、2色は同系色にするとスタイリッシュに決まります。
同系色、というのは先ほど述べた色相環の中の、同じ色の中での明るさや鮮やかさが違う色のことをいいます。たとえば、ピンクと赤、クリーム色とオレンジ、水色と紺、すみれ色と紫などです。
また、色相環でのとなり合う色のことも同系色といいます。赤とオレンジ、黄色と黄緑、青と紫などです。
同じ色の仲間ですから、なじみがよいのが同系色です。ショッピングモールの宣伝用広告などは、とにかく目立たせる目的で鮮やかな配色になっています。
しかし、外壁塗装の場合には、同系色でなじみの良いツートンカラーをセレクトしたほうがおしゃれです。
③カラーサンプルは最低でもA4サイズで見ましょう!
外壁塗装のカラーサンプルはA4サイズ以上のものを頼みましょう。なぜA4サイズ以上が必要なのでしょうか。
色のマジックの中に、色は面積によって与える印象が大きく違う、というものがあります。これが、「カラーサンプルで見たときと、実際の外壁塗装のイメージが全然違う」という失敗の原因になるのです。
色は、面積が大きくなると、薄く、明るく見えます。また、より鮮やかに見えます。それで、実際の外壁塗装を見て、「あれ、こんなに派手だったかな」となってしまうことがあります。
ですから、小さな色見本では、実際の色の印象がつかめないのです。
また、A4サイズの色見本であっても、蛍光灯の下で見るのと、太陽光の下で見るのとでは大きく印象が違います。カラーサンプルを自宅の外壁に当ててチェックするようにしましょう。
④カラーシミュレーションをしてみましょう!
最近では、インターネットでカラーシミュレーションできるサイトがあります。このサイトでは、自宅の写真をアップロードして、カラーシミュレーションできるようになっています。
カラーシュミレーションを行うことで、より塗装後の自宅のイメージをつかみやすくなります。
また、自分で気軽にできるカラーシミュレーションに加えて、塗装業者がカラーシミュレーションしてくれる場合も多くあります。
あなたの家の外壁写真を撮って、画像を加工し、この色に塗るとこんなイメージになりますよ、とサンプルを見せてくれるのです。
A4サイズの塗り板を見せてくれる業者もいます。塗り板とは、板に実際の塗料を塗ったサンプルのことです。これが一番、実物の外壁塗装とのギャップが小さいカラーシミュレーションです。
カラーシミュレーションは業者によって、種類がまちまちですから、きちんとシミュレーションしてくれる業者を選ぶことをおすすめします。
まとめ:外壁塗装を2色塗装にしたいときのポイント
この記事では、外壁塗装を2色塗りでスタイリッシュに決めるためのポイントを幾つか述べてきました。
色の法則を考えて、同系色の2色を選び、あとは上下であれ、縦であれ、ベランダであれ、ワンポイントであれ、お好きなようにツートンにセパレートするのです。その際、ベーシックカラーは6~7割、アソートカラーは3~4割にすることもポイントの一つでしたね。
外壁塗装の費用は1色塗りとほぼ変わらないか少し高めでした。
次に、ツートンカラーのおしゃれな塗り方4パターンを振り返りましょう。
- 1階と2階でセパレートする
- 縦のラインでセパレートする
- ベランダなどの出っ張りでセパレートする
- ワンポイントでセパレートする
といったパターンです。
また、2色塗りが映えるサイディングの施工方法についても書きました。サイディングの凹凸を活かし、レンガ調に見せ、おしゃれに2色塗りをする方法です。
最後に、外壁塗装の色で悩んだ時の筋道立てた考え方について触れました。
- 周りになじませるのか、逆に目立たせるのかを決める
- 2色は同系色を選ぶ
- カラーサンプルはA4サイズ以上で見る
- カラーシミュレーションをしてみる
の4ステップで、色を決めることができるでしょう。
この記事を読んで、2色塗りで外壁塗装をスタイリッシュに決める方法が、少しでも分かっていただけたでしょうか。
外壁塗装は職人芸ですので、業者選びが大切です。コストやカラーサンプルなど、ていねいに説明してくれる業者を選びましょう。