外壁塗装で絶対失敗したくないあなたへ!色見本はこう使う!
執筆者:ペイントセレクト編集長
塗装業界での長年の工事経験を元に、外壁塗装に関するお役立ち情報を発信中。読者様に正しい情報を届け、塗装に満足してもらうのが私の使命です。
「こんな色にしたかったわけじゃないのに…!せっかくお金をかけてこの結果?!」
外壁塗装で、そういった思いをした方たちは少なくありません。家はほとんどの人の人生の中で1番高い買い物ですし、その家をきれいに塗りかえるのにお金をかけるわけですから、絶対!失敗したくないですよね。
外壁塗装を成功させるために欠かせないのが、色見本の役割です。
この記事では、
- 色の基本分類
- 4種類の色見本とそれらの入手方法
- 色見本を使う際の注意点
についてご説明します。ぜひ最後までご覧くださいね。
もくじ
外壁の色を決める前にこれだけは知っておこう!色の基本
色見本について詳しく述べる前に、まずは色の基本的な属性について触れたいと思います。
色には3つの性質があります。
⑴色相
⑵明度
⑶彩度
の3つです。1つずつ簡単に説明しますね。
⑴色相ー基本的な色の名前
色相とは、色みのことです。マンセルというシステムでは、赤、黄、緑、青、紫の主要な5色をもとに、橙、黄緑などの中間色を足して10色にし、これを環にして並べたものを色相環(しきそうかん)としています。
ほかに、日本色彩研究所の分け方で、4色を基本とし中間色を加えて24色に分ける方法もあります。
簡単にまとめると、色相とは「赤」「緑」などの基本的な色の名前のことです。
⑵明度ー色の明るさの度合い
明度とは、色の明るさのことです。白と黒の間を数段階に分け、それを明るさの基準にします。たとえば、同じグレーでも、白っぽくて明るいグレーもあれば、黒に近いダークグレーもありますね。その、明るさの度合いのことを明度と言います。
モノクロカラーのことを無彩色と言います。赤、黄など、色みのある色は有彩色と言います。
有彩色の明るさの度合い、つまり明度は、無彩色の明度を基準にして分けられます。
⑶彩度ー色の鮮やかさの度合い
彩度とは、色の鮮やかさのことです。たとえば、「真っ赤なリンゴ」というときは、とても鮮やかな赤を連想しますね。これは、彩度の高い赤であるということです。
逆に、「淡いピンクの桜の花びら」といえば、うすいピンクを思い浮かべるでしょう。桜の花びらのような淡い色は彩度が低い部類の色に入ります。
以上が色の基本的な性質です。
それでは、次に、外壁塗装における色見本の種類について見ていきましょう。
これが色の見本だ!色見本4種類
外壁塗装の塗料の各メーカーは、カタログを作って塗料の種類とその特徴を紹介しています。そのカタログの中に、色見本も含まれています。
外壁塗装の相談を業者にするときに、最初に手にすることになるのが、この色見本でしょう。
色見本には4種類あります。
- メーカーのカタログに載っている色見本
- 日本塗料工業会の色見本
- カラーシミュレーション
- A4サイズの色板
では、一つずつ見ていきましょう。
これが色の見本だ!①一般的な塗料メーカーが作っている色のカタログ
塗料のメーカーの作っている色見本は、ただ印刷してあるのではなく、実際の塗料の発色に近い色を塗ってあります。
そのため、実際の外壁塗装が色あせていくように、色見本の色も月日の経過とともに劣化していきます。そういうわけで、メーカーの作る色見本には有効期限があるのです。
色の見本はこうやって手に入れる!①カタログの場合
外壁塗装の塗料の会社のホームページにアクセスすると、必ず資料請求の項目があります。塗料のメーカーの色のカタログがほしい場合は、この資料請求を活用しましょう。
また、塗料のメーカーがウェブ上で色見本のカタログを載せている場合もあります。しかし、ウェブ上の色見本は、ほぼ実際の色と違うと考えたほうが良いでしょう。この点については、後のほうの項目で詳しく触れます。
これが色の見本だ!②日本塗料工業会の色見本
引用元:一般社団法人日本塗料工業会
参照URL:https://www.toryo.or.jp/jp/color/index.html
業者が紹介してくれたメーカーの色見本より、もっとたくさんの色の種類の中から選びたいときには、一般社団法人日本塗料協工業会の色見本帳がおすすめです。
塗料メーカーのカタログで、「何かニュアンスが違うんだよな…。もっと、こう、この色とこの色との中間みたいな色はないの?」と感じた場合に便利なのが、日本塗料工業会の色見本帳です。
日本塗料工業会の色見本帳の色数は、なんと600色以上。たいへん豊富なカラーバリエーションです。好みの色がきっとあることでしょう。
日本塗料工業会も大きなくくりでは塗料メーカーの一つに分類できますが、一般的な塗料メーカーが出すカタログに比べて種類が豊富なため、この記事では分けて取り上げました。
しかし、注意を一言。
この色見本にある色の中には、施工業者や塗料メーカーで扱っていないものもあります。
さらに、もし日本塗料工業会の色見本の中の色で塗装できたとしても、業者が普段扱っている標準色ではないため、ちょっとした補修の塗りなおしをしたいときでも再発注になってしまい、非経済的です。
日本塗料工業会の色見本帳から色を選ぶ際には、候補の色一つ一つについて、外壁塗装に可能な色かどうか業者に確認しましょう。
色の見本はこうやって手に入れる!②日本塗料工業会の見本の場合
日本塗料工業会の色見本帳は、一般社団法人日本塗料工業会の公式ホームページで、購入方法が説明されています。
2019年12月現在の価格で、2019年ポケット版は税込2,915円、2019年ワイド版は税込21,648円です。
日本塗料工業会の会員以外の方の購入方法には、いくつかあります。
まず、画材店のトゥールズ通信販売のサイトで申し込む方法があり、クレジットカード払い、代引き着払い、コンビニ支払いが選べます。
また、店舗で直接買うには、全国に10か所あるToo系列のお店に行くか、一般社団法人日本塗料工業会の店舗に行くことができます。
あるいは、日本塗料工業会への銀行振り込み、現金書留で購入する方法もあります。この場合、入金確認後の発送となります。
これが色の見本だ!③カラーシミュレーション
カラーシミュレーションとは、あなたの家やモデルとなる家の写真に、コンピューターで、希望する塗料の色を塗る、画像シミュレーションのことです。
カラーシミュレーションのいいところは、あなたの家に実際その色を塗ったらどうなるか、というイメージをつかみやすいところです。
家のデザインはその家ごとに違いますから、同じ外壁塗装の色でも家の凹凸によって見え方が違ってきてしまうのです。
カラーシミュレーションでは、あなたの家の外観の写真を使うこともできますので、あなたの家と候補の色との相性を確認することができます。とくに、ツートンカラーの外壁塗装にしたいときには活躍する方法です。
色の見本はこうやって手に入れる!③カラーシミュレーションの場合
今はネットで、自分の家にいながらにして、外壁塗装のカラーシミュレーションをすることができます。対応サイトへアクセスすれば、簡単にカラーシミュレーションを行うことができる時代です。
あるいは、外壁塗装を頼む業者が決まっていれば、その施工業者がカラーシミュレーションをしてくれることも多いようです。
どちらにせよ、外壁塗装のカラーシミュレーションは簡単に活用することができます。
これが色の見本だ!④A4サイズの色板
引用元:株式会社クオリティリフォーム
参照URL:https://quality-reform.com/%E8%89%B2%E8%A6%8B%E6%9C%AC%E6%9D%BF/
後ほど述べますが、色は面積によってだいぶ印象が変わってきます。小さな色見本ではイメージをつかむのに限界がある、ということです。
そこでイチ押しなのが、A4サイズの色見本である色板です。
色板は実際の塗料を板に塗った色見本ですので、4種類の色見本の中で1番実物に近いのでおすすめなのです。
あなたの家の外壁に当てて見て、イメージをつかむことも可能です。
色の見本はこうやって手に入れる!④色板の場合
残念ながら色板見本は個人で買うことはできません。施工業者が、外壁塗装の契約の決まった顧客のみを対象にしているサービスだからです。
注文してから届くまでに1週間はかかりますし、1枚2~3,000円しますから、気軽に見てみたいといった段階で頼むのではありません。「この色の外壁塗装がいい!実際どうなるのかぜひ見たい!」という、最終候補を決める段階で頼むのがベストでしょう。
色見本で失敗したくない!ならこの点に注意しよう!
色見本帳を使っても、外壁塗装で色選びに失敗してしまうリスクはあります。そのリスクを最小限に抑えるための注意点について、ご紹介しましょう。
- 色の面積効果を知る
- 光源の違いの影響を知る
- ツヤあり・ツヤなしの違いを知る
- カラーシミュレーションの注意点とは
の4点を、以下に述べていきますね。
注意点①面積効果とは?実際とどう違う?
色の面積効果とは、色の面積の大きさによって、見え方が違ってくる現象のことをいいます。
面積が大きいと、小さい面積の場合よりも、明るい色はより明るく、暗い色はより暗く見える現象です。
ですから、たとえば外壁塗装でベージュに塗りたいと思った際に、小さな色見本で決めてしまうと、実際の仕上がりを見て、「え、こんなに白っぽかったっけ…」となってしまうわけです。
A4サイズの色板を一番におすすめする理由の一つは、この、色の面積効果にあるのです。
注意点②光源の違いでこんなに違うもの?!
さらに、照明の種類によっても、色の見え方は全く違ってきます。
たとえば、白熱灯のもとでは、ものは赤みがかった黄色みをおびて見えます。一方、蛍光灯の下では、赤やオレンジ系はややくすんで見えます。極端な例をあげれば、トンネルに使われているナトリウム灯は、オレンジ系の色のもの以外は灰色っぽいくすんだ色に見えるのです。
このように、照明の違いによって色の見え方は大きく違ってきますから、施工業者の事務所の蛍光灯のもとで見た色見本の色が、太陽の光の下で見るあなたの家の外壁塗装の色と違うのは、当然です。
A4サイズの色板をおすすめするもう一つの理由は、太陽光のもとであなたの家の外壁に押し当てて見ることができるからなのです。
注意点③ツヤあり・ツヤなしでイメージがガラリ!
また、外壁塗装の色は、ツヤありを選ぶのかツヤなしを選ぶのかでも、かなり印象が違います。ツヤありですと華やかな―場合によっては派手な―印象になりますし、ツヤなしを選べばマットで落ち着きのあるイメージに仕上がります。
塗料の種類によって、ツヤあり、7分ツヤ、5分ツヤ、3分ツヤ、ツヤなしが選べるケースがあります。
色によってはツヤあり・ツヤなしが選べないものもありますので、ツヤなしにしたいなら、業者に「この色のツヤなしはありますか?」と尋ねてみましょう。あるといわれたら、A4サイズの色板も頼むことをおすすめします。
注意点④カラーシミュレーションはあくまでも参考に!
ここでは、カラーシミュレーションの限界について少し述べます。
ウェブ上のカラーシミュレーションは、あくまでも参考までにとどめるほうが良いでしょう。
なぜなら、パソコンでもタブレットでもスマホでも、各端末によって画面上の色は違って見えますし、プリントアウトするものは、さらに機種によって色が違ってくるからです。
カラーシミュレーションは、「青系にしたらどうなるかな?ベージュにしたらどうかな?」程度の参考にし、色を絞り込んで決めたいときには、必ずA4サイズの色板を頼むのがベストです。
まとめ:外壁塗装の色選びは色見本でスマートに!
外壁塗装で失敗しないためには、色を選ぶときに色見本を活用することがとても重要です。
色見本には
- 塗料メーカーのカタログ
- 日本塗料工業会の色見本帳
- カラーシミュレーション
- A4サイズの色板
の4種類があります。
このうち、カラーシミュレーションは、画面上やプリントアウトしたものが実際の色と違うため、参考程度にとどめましょう。
業者と契約が決まったら、A4サイズの色板を必ず頼み、太陽光の下で家の外壁に押し当てて確認することを、強くおすすめします。
色選びで失敗しないための注意点には、
- 面積効果を考える
- 光源の違いを考える
- ツヤあり・ツヤなしを考える
- カラーシミュレーションの限界を考える
ことが挙げられます。
この記事を参考に、色見本を賢く使って、お気に入りの外壁だと思えるような塗装にしてください。優良業者ほど、しっかりとした色見本を見せてくれます。ペイントセレクトで優良業者をぜひ探してみてくださいね。