要チェック!外壁塗装の契約書で注意するべきポイントを紹介
執筆者:ペイントセレクト編集長
塗装業界での長年の工事経験を元に、外壁塗装に関するお役立ち情報を発信中。読者様に正しい情報を届け、塗装に満足してもらうのが私の使命です。
外壁塗装をするときに契約書を交わすことはとても重要です。
依頼した工事がされていない、工事がなかなか終わらないなど、契約に関するトラブルは意外にも多いことをご存知ですか?
理由のひとつとして、契約内容の確認不足があります。
外壁塗装の契約を交わす際は、業者からさまざまな書類を提出されるため、契約内容を理解できないまま工事を進めてしまう人もいるでしょう。
また、口頭だけで工事を依頼してトラブルになる例もあります。
このようなことが起きないために、外壁塗装の契約書で注意するべきポイントを詳しく紹介します。
この記事を読めば、外壁塗装の契約についてすべて分かります!
これから契約をしようと検討している人は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
外壁塗装の契約書とは?どんな意味があるの?
契約書とは、外壁塗装の契約をする際に業者と依頼主の間で交わす「契約内容が書かれた書類」のことです。
外壁塗装の契約書の正式名称は「工事請負契約書」と言い、契約時に渡される書類の中でもっとも重要な書類になります。
他にも契約内容を補助するために、契約書以外の書類も業者から渡されます。
業者によって提出書類は異なるため、一般的によく使われる書類を紹介します。
書類の種類 |
書類の内容 |
1.工事請負契約書 |
業者への工事依頼を契約するための書類【重要書類】 |
2.請負約款書 |
契約書に記載されていない取り決めを記載した書類 |
3.請負代金内訳書 |
工事内容の詳細が記載された書類、正式な見積書 |
4.保証書 |
契約した工事に対して業者が保証する内容が記載された書類 |
5.請求書 |
業者から依頼主へ工事代金を請求する書類 |
以下ではもっとも重要な契約書に絞って、契約書を交わす意味や必要性を詳しく説明します。
契約書を交わす意味1:契約内容を明確にする
契約書を交わす1つめの意味は、契約内容を明確にするためです。
塗装工事に関するすべてのことに対して、業者と依頼主の間で認識違いがないようにするために契約書を交わします。
認識違いの一例は以下のようなものがあります。
- 塗装範囲の認識が違っていた
- 工事期間が思っていたより長かった
- 前金を支払うなんて知らなかった
- 聞いていた金額よりも高い
契約内容が明確にされていないのも危険ですが、契約書を交わさずに工事を依頼することはもっと危険です。
例え短期間で終わるような工事だとしても、きちんと契約書を交わして工事内容を明確にしましょう。
契約書を交わす意味2:トラブル防止
契約書を交わす2つめの意味は、トラブルを防止するためです。
万が一トラブルが起きたときに、スムーズに解決するために契約書を交わします。
よくあるのが「言った」「言わない」のトラブルです。
依頼主が「ついでに〇〇もやってほしい」と業者に口頭で伝えたけど、実際にはやっていなかったというケースが例としてあげられます。
契約書に記載されていない工事のことでクレームを入れたとしても、業者に「そんな約束はしていない」と言われてしまったらどうすることもできません。
このような「言った」「言わない」のトラブルを防ぐことが、契約書を交わす意味のひとつです。
契約書はもっとも重要な証拠書類になる
万が一トラブルが発生した場合に、もっとも重要な証拠になるのが契約書です。
契約書を交わすことで業者と依頼主の合意が法的なものになり、業者は契約内容どおりに工事をおこなう責任があります。
専門機関や弁護士に相談しても、契約書がなければ証拠が足りないと判断されてスムーズに解決できない場合もあります。
契約書は必ず交わすようにしましょう。
外壁塗装の契約書にはどんなことが書かれているの?
請負契約書は重要な書類ということが理解できたかと思います。
実際にどんなことが書かれているを説明する前に、契約書の書式がどういうものかをお伝えします。
工事請負契約書のフォーマットは業者によって多少異なりますが、以下のような書式が一般的です。
契約書は業者と注文者がそれぞれ控えを保管できるように、複写式の契約書を用意してもらいましょう。
見積書と契約書の内容が一致しているかを必ず確認してから、署名・捺印をするように心掛けてください。
また、外壁塗装の契約金額は課税対象になるため、印紙を貼る必要があります。
お客様控えにも必ず貼るようにしましょう。
契約書に記載されている項目
請負契約書のフォーマットは業者によって異なりますが、記載するべき項目は「建築業法」によって定められています。
契約書に記載するべき項目は以下のとおりです。
- 工事名・工事場所・工事期間
- 契約日
- 請負金額
- 支払条件(支払方法・支払日など)
- 保証内容(保証対象と範囲、期間、内容)
- 両者の署名・捺印
一般の人ならば、建築業法がどのような法律か知らない人がほとんどかと思います。
しかし無知な部分につけこんでくる悪徳業者もいるため、契約書の項目は十分に確認するようにしましょう。
契約書の内容でチェックするべきポイント
契約書は、記載するべき内容が書かれていなければ意味がありません。
以下の記載例を参考にしてチェックしてみましょう。
項目 |
記載例 |
チェックポイント |
工事名 |
外壁塗装工事 |
工事内容の詳細は見積書で確認する |
工事場所 |
建物名、住所、工事する部位 |
依頼した部位の工事と合っているかを確認する |
工事期間 |
〇年〇月〇日~〇年〇月〇日 |
契約書に記載がないといつまで経っても 工事が終わらない場合もあるため必ず確認する |
契約日 |
〇年〇月〇日 |
万が一クーリングオフする際にも必要になるため 必ず確認する |
請負金額 |
外壁塗装工事 〇〇円 |
複数の工事を同時に契約する場合は見積書毎に 記載されているか確認する 部位毎の金額は見積書で確認する |
支払方法 支払日 |
銀行振込 着工前(〇月〇日)〇〇円 完工後(〇月〇日)〇〇円 |
できれば完工後の支払いが安心だが高額の場合は 数回に分けて支払うパターンもある |
保証内容 |
外壁塗装 〇年 |
別途保証書を発行する場合もある 何に対して保証されるのか必ず確認する |
署名・捺印 |
業者、依頼主の署名・捺印 |
業者の担当者名も記載してもらう |
外壁塗装の契約書を交わすときの注意点は?
外壁塗装の契約書を交わすときの注意点は、以下の3つがあります。
- 正式な見積書の内容を確認する
- 契約書の内容を確認する
- 契約約款書の内容を確認する
それぞれの内容を、ポイントをふまえて詳しく説明します。
契約を交わすための重要なポイントになるので、しっかりと覚えていきましょう。
注意点1:正式な見積書の内容を確認する
正式な見積書は、最終的に決まった工事内容や金額が記載されているものです。
工事内容・塗料商品名・面積・費用など細かく記載されているかを必ず確認しましょう。
見積書を確認するうえで特に注意するべきポイントは、以下のとおりです。
塗料商品名 |
例えば同じシリコン塗料でも性能に差がある 商品名を記載していない場合は、説明よりもグレードの低い塗料を 使用される可能性が高い |
使用塗料缶数 |
1缶で塗装できる面積はだいたい決まっている 明確な缶数を記載していない場合は、工事金額を実際より高く見積もっている 可能性がある |
単位表記 |
面積や長さなどから算出されているか? 一式での表記が多い場合や金額が大きい場合は注意が必要 |
見積書は細かく記載されているため、分からないこともあるかと思います。
きちんと理解できるまで業者に説明してもらうようにしましょう。
注意点2:契約書の内容を確認する
契約書は非常に重要な書類です。
工事名称、工事場所、工事期間、支払い方法の内容に相違がないか確認しましょう。
契約書を確認するうえで特に注意するべきポイントは、以下のとおりです。
工事内容 |
見積書と契約書の内容は合っているか? 依頼した内容は契約書に含まれているか? |
工事金額 |
記載されている金額に間違いはないか? 支払方法に納得しているか? 前金で全額支払うことはほぼないので注意が必要 |
工事期間 |
未記入ではないか? 曖昧に説明されていないか?(着工日のみ決まっているなど) |
契約書に記載するべき項目が不足している場合は、必ず業者に確認をしてください。
契約内容に納得してから署名・捺印をするように心掛けましょう。
注意点3:契約約款書の内容を確認する
契約約款書は、工事後に問題が起きた場合の保証内容や約束事などがどのようなものかを確認する書類です。
専門用語や難しい言葉で細かく記載されているため、内容を理解することが難しいかもしれません。
しかし、重要な書類のため必ず確認をしましょう。
業者によって約款の内容は異なります。
トラブルが発生した場合でも、業者が有利になるように作成してある可能性もあるので、納得できるまで契約をしないように注意してください。
また、内容をきちんと説明しない業者や、契約約款書を提出してこない業者もいます。
その際は、説明を求めたり提出を催促するなどの対応を心掛けましょう。
外壁塗装の契約を解除したい場合は?
外壁塗装の契約を解除したい場合は、条件に当てはまっている契約のみ「クーリングオフ制度」が利用できます。
クーリングオフ制度とは、契約トラブルから消費者を守るために無条件で契約を解除できる法制度です。
以下では、クーリングオフができるケースとできないケース、クーリングオフの手続きについて詳しく説明します。
クーリングオフができるケース
以下のすべての条件に当てはまる場合は、クーリングオフができるケースです。
- 契約日(契約書を書面で受け取った日)から8日以内
- 訪問販売や勧誘により契約したもの
- 業者の事務所や店舗で契約をしていないもの
- 契約者は個人、契約先は法人の場合
また以下の場合は、契約日から8日を過ぎてもクーリングオフが適用されるケースもあります。
- 契約書などにクーリングオフについての注意書きが記載されていない場合
- 業者に「クーリングオフ」はできないと嘘を言われた場合
- 契約書をもらっていない場合
クーリングオフができないケース
すべての契約に対してクーリングオフができるわけではありません。
以下のような場合はクーリングオフが使えないため、あなたの契約状況と照らし合わせて確認しましょう。
- 依頼主が自ら業者を呼んで契約した場合
- 依頼主の意思で業者に足を運んで契約した場合
- 3,000円未満の現金取引
- 過去1年間にその業者との取引実績があった場合
- 契約日(契約書を書面で受け取った日)から8日以上過ぎた場合
- 日本国外で契約した場合
クーリングオフの手続き
クーリングオフが適用されるか確認できたら、8日以内に手続きを済ませましょう。
ハガキ・内容証明書・FAXのいずれかで業者に対して通知をします。
ただし、FAXでの通知は受け取った証拠が残らないためおすすめしません。
クーリングオフの手続きは、通知書を郵送するだけで完了します。
下記の項目をハガキなどに記載して通知します。
- 契約日(契約書を書面で受け取った日)
- 契約先の会社名
- 契約担当者名
- 契約した商品名(サービス名・工事名)
- 金額
- 契約の解除をしたい旨の意思表示
- 申出日
- 自分の住所
- 自分の指名
クーリングオフの手続きの注意点は下記のとおりです。
- 記入した書面は必ずコピーを取って証拠を残す
- 発信日が証明される方法(特定記録郵便・簡易書留・書留・内容証明)で郵送する
- クレジット払いの場合は、クレジット会社にも同様の通知を郵送する
- キャンセル料や違約金などを支払う必要はない
クーリングオフを通知すれば、無条件で契約は解除されます。
既に支払った金額がある場合は、金額返金されるので安心してください。
まとめ:契約書の内容を確認して安心できる外壁塗装工事をしよう
外壁塗装の契約を交わすときにもっとも重要な書類は「工事請負契約書」です。
どんな工事をするのか、金額はいくらなのかなどを明確にするだけではなく、法的な効力をもつためトラブルが発生した場合にも役立ちます。
ただし契約書は、記載するべき内容が書かれていなければ意味がありません。
契約書に記載されている内容を十分に確認し、納得できたら署名・捺印するように心掛けましょう。
理解できないまま業者の言うとおりに契約を進めてしまうと、トラブルが発生する可能性もあります。
依頼主の無知さにつけこむ悪徳業者もいるため、外壁塗装の契約を交わすときは慎重におこないましょう。
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