チョーキング現象は劣化のサイン!外壁塗装で早めの対策をしよう
執筆者:ペイントセレクト編集長
塗装業界での長年の工事経験を元に、外壁塗装に関するお役立ち情報を発信中。読者様に正しい情報を届け、塗装に満足してもらうのが私の使命です。
「外壁に触ったらチョークのような粉がついたけどこれってなに?」
外壁の粉の正体は、「チョーキング現象」と呼ばれる塗料の膜の劣化のサインです。
今すぐに雨漏りなどの危険性があるわけではありませんが、放置しておくのはよくありません!
チョーキング現象は塗料の初期段階の劣化症状で、適切な対処をしなければ外壁材が劣化し、やがて雨漏りが起こる可能性もあります。
あなたの自宅を守るためには早めの対策が必要です。
この記事を読んで、チョーキング現象に対する知識や対処法を身に付けていきましょう。
どのような原因でチョーキング現象が起こるのか?
どのような影響を建物に与えるのか?チョーキング現象が起きたらどうすればよいのか?
を詳しく解説していきます。
チョーキング現象の対策として外壁塗装をする場合の費用相場もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
もくじ
チョーキング現象とは外壁塗装の劣化症状のひとつ
チョーキング現象とは塗料の膜の劣化症状のひとつで、初期段階に現れる症状です。
築10年前後、もしくは前回の塗装から10年前後に見られることが多いでしょう。
業者の中には「白亜化現象」「塗料の風化」と呼ぶこともあります。
外壁を手で触るとチョークのような粉がつくことが特徴ですが、それ以外にも色あせが起きて見た目の美しさが損なわれたり、紫外線や雨風などから外壁材を守る効果が失われるなどの症状があります。
なぜ、外壁塗装にはチョーキング現象が起こるのでしょうか。
チョーキング現象が起こる仕組みや原因について、次の項目で詳しく説明します。
外壁塗装にチョーキング現象が起こるのはなぜ?
チョーキング現象が起きる原因を説明する前に、塗料の成分について少し触れます。
塗料は「合成樹脂」「顔料」「添加剤」の3つで構成されています。
- 合成樹脂:塗料の主成分
- 顔料:塗料に色をつける成分
- 添加剤:塗料を塗りやすくする成分
チョーキング現象は、塗料に含まれている「顔料」が劣化することによって起こります。
どのようにしてチョーキング現象が起こるのか、その仕組みを見ていきましょう。
- 紫外線や雨風で「合成樹脂」が分解・劣化する
- 「顔料」がむき出しになる
- むき出しになった「顔料」は紫外線や雨風で劣化する
- 塗料の表面に粉状になって現れる
以上がチョーキング現象が起こる仕組みです。
外壁を触ったときについた粉の正体は、紫外線や雨風などの影響を長期間受けて劣化して粉状になった「顔料」なのです。
チョーキング現象が起こる原因は劣化だけではなく、施工不良が原因で起こる場合もあります。
それぞれの原因を、以下で詳しく説明します。
チョーキング現象の原因1.経年劣化
チョーキング現象が起こる1つめの原因は、経年劣化によるものです。
どんなに耐用年数が長い塗料でも、長期間紫外線や雨風の影響を受けることでいつかは劣化します。
以下は、一般的な塗料の耐用年数です。
- アクリル塗料:5~7年
- ウレタン塗料:6~8年
- シリコン塗料:10~15年
- フッ素塗料:15~20年
お住まいの地域の気候や環境によっては、耐用年数よりも早く劣化する場合もあります。
また、紫外線が当たりやすい南側の外壁は特に劣化が起こりやすく、同じ建物でも場所によって劣化度合が違う場合もあるため注意が必要です。
チョーキング現象の原因2.施工不良
チョーキング現象が起こる2つめの原因は、施工不良によるものです。
塗装業者が正しい手順や方法で塗装しなかったことで、塗装後1~2年ほどでチョーキング現象が起こる場合があります。
施工不良の原因には、以下のようなことが考えられます。
- 高圧洗浄できちんと汚れや古い塗料を落としていない
- 高圧洗浄後、完全に乾燥する前に塗装をおこなった
- 適切な下地処理(ケレン作業・クラック補修など)がおこなわれていない
- 外壁材に合った下塗り材を使用していない
- 下塗り材に合った中塗り塗料、上塗り塗料を使用していない
- 塗料の撹拌や希釈が適切におこなわれていない
- 塗装後の乾燥時間が不十分、完全に乾燥する前に次の塗装をおこなった
- 雨が降っているにも関わらず塗装作業をおこなっていた
- 外壁材や立地条件などに合わない塗料で塗装をおこなった
外壁塗装は正しい手順や方法でおこなうことで、はじめて塗料の効果が発揮されるものです。
塗装後1~2年ほどでチョーキング現象が起きた場合は施工不良の可能性が高いため、優良業者に相談することをおすすめします。
外壁塗装のチョーキング現象を放置したらどうなるの?
チョーキング現象は塗料の初期段階の劣化とは言え、外壁材が保護されていない状態です。
防水効果が薄れているため、放置しておくと外壁材や建物にさまざまな影響をおよぼす危険性があります。
この章では、チョーキング現象を放置した場合に起こる2つの症状について詳しく説明します。
- カビや藻・コケが発生して見た目が悪くなる
- ひび割れが起こり雨漏りの危険性がある
カビや藻・コケが発生して見た目が悪くなる
1つめの影響は、カビや藻・コケが発生することです。
外壁材自体には防水機能がないため、塗装をすることで防水機能を追加しています。
そのため、チョーキング現象を放置しておくと雨水を吸収しやすくなり、カビや藻・コケが発生します。
見た目が悪くなるのはもちろん、建物の劣化にもつながるため危険です。
さらに、シロアリやネズミなどを寄せ付ける原因にもなり、衛生面的にも良くありません。
カビやコケは外壁内に根を張って繁殖します。
ホコリや土などの汚れと違って洗い流すだけでは落としきれないため、薬剤で除菌をして繁殖を防ぐことが必要です。
ひび割れが起こり雨漏りの危険性がある
2つめの影響は、ひび割れが起こり雨漏りの危険性があることです。
チョーキング現象は、塗料が本来もつ「防水機能」の役割を果たせていない状態です。
塗料に保護されていない外壁材は、雨水を吸収しやすくなります。
雨水の吸収と乾燥を繰り返して、外壁が動くことでひび割れが起こります。
放置すると建物内に雨水が侵入して、雨漏りが発生する危険性があります。
雨漏りは、建物の基礎部分の腐食や停電・漏電の恐れなど、あなたの生活にも大きな被害をもたらすものです。
建物内部に侵入した雨水は勝手になくなることはなく、更なる症状の悪化につながります。
被害をおさえるためには、チョーキング現象を放置しないで早めに対策することが大切です。
あなたの自宅外壁は大丈夫?チョーキング現象のセルフチェック
チョーキング現象を放置すると危険だという説明を読んで「我が家の外壁は大丈夫かな?」と不安に思った人も多いでしょう。
チョーキング現象は専門知識をもったプロでなくても、ご自身で簡単にセルフチェックをおこなうことができます。
この章では、チョーキング現象のセルフチェックに最適な場所と、チェック方法を2つ紹介します。
ぜひ試してください。
チョーキング現象が起こりやすい場所
まずは、チョーキング現象が起こりやすい場所を知りましょう。
チョーキング現象は紫外線や熱の影響で起こるため、日当たりのいい南面や西面の外壁をチェックすると分かりやすいです。
特にベランダ手すり側の外壁は、建物の中でもっとも日が当たりやすい場所なので、チョーキング現象のチェックに最適です。
もしくは、西日が当たる西面の外壁でもチェックできます。
1階外壁よりも2階外壁の方が紫外線や熱が当たりやすいため、できれば2階外壁でチェックすることをおすすめします。
ただし、転落や怪我などに十分注意してチェックしてください。
チョーキング現象のチェック方法
チョーキング現象をチェックする方法は、以下の2つがあります。
- 外壁を手で触ってチェックする
- 外壁を水で濡らしてチェックする
どちらも簡単にできるチェック方法なので、以下のやり方を参考にして試してください。
外壁を手で触ってチェックする
外壁を手で触ってチョークのような粉がついたら、チョーキング現象が起きている状態です。
外壁と同じ色の粉がつきます。白や淡い色の外壁ならば、黒い手袋をはめて触ると粉の色が目立って分かりやすいです。
うっすらと粉が付く程度なら劣化し始めた段階です。そろそろ外壁塗装を検討しましょう。
しっかりと粉が付く場合は塗料の膜の寿命がきているサインです。
早めに外壁塗装をすることをおすすめします。
外壁を水で濡らしてチェックする
外壁に水をかけて濡らすだけでも、チョーキング現象のチェックが可能です。
バケツやホースなどを使って外壁を水で濡らしてください。
外壁の色の変化が大きいほど、チョーキング現象で劣化している状態です。
外壁の防水機能が失われ水を吸収しているため、早めに外壁塗装をすることをおすすめします。
雨が降っているときに外壁の色の変化を見てチェックすることもできるので、外出したついでに見てみるのも良いでしょう。
チョーキング現象が起きたらどうすればいいの?
チョーキング現象は塗料の膜が劣化している状態のため、外壁塗装をおこなう必要があります。
外壁塗装は手順どおりに適切な作業をしているかどうかで、仕上がりに大きな差が出ます。
外壁塗装の一連の流れを以下にまとめました。
- 足場設置:高所での作業をおこなうために足場を設置する
- 高圧洗浄:外壁の汚れをきれいに落とす
- 下地処理:高圧洗浄で落としきれなかったサビを落とす、ひび割れを補修する
- 下塗り:外壁と塗料を密着させるために塗布
- 中塗り・上塗り:外壁材の種類や状態に適した塗料を塗布する
- 足場解体:足場を解体・撤去する
これらの作業を適切におこなわなければ、塗装後数年でチョーキング現象やひび割れなどの劣化症状が再び発生する恐れがあります。
もしも「費用をおさえたい」などの理由でDIYを検討しているのであれば、おすすめはできません。
これだけの作業をご自身でおこなうのは、手間も時間もかかるうえに危険も伴います。
専門業者に依頼して外壁塗装をしよう
チョーキング現象が起きたら、専門業者に依頼をして外壁塗装をおこないましょう。
チョークのような粉は汚れではないため、水洗いをしただけでは劣化を止めることはできません。
塗料の膜が劣化して起こるチョーキング現象は、外壁塗装をして新しい塗料の膜をつくる必要があります。
不安をあおってくる業者は危険!
チョーキング現象は放置しておくとひび割れや雨漏りにつながりますが、今すぐ外壁塗装をしないと危険というわけではありません。
「今すぐ塗装しないと大変なことになるよ!」などと不安をあおってくる業者や、契約を急がせる業者は、悪徳業者の可能性が高いため注意をしてください。
塗装の専門業者であれば、チョーキング現象で不安をあおるようなことは言いません。
親身に相談にのってくれる、適切な対処をしてくれる「優良業者」に依頼をしましょう。
【参考:外壁塗装をして新しい塗料の膜をつくる】費用相場と耐用年数
外壁塗装に使用する塗料でもっとも人気なのは「シリコン塗料」ですが、近年ではチョーキング現象の発生をおさえる「ラジカル塗料」の人気も高まっています。
参考に、一般的な塗料の耐用年数と費用相場(塗料代のみ)をまとめました。
塗料の種類 |
耐用年数 |
費用相場(30坪) |
費用相場(40坪) |
ウレタン塗料 |
8~10年 |
18~25万円 |
24~33万円 |
シリコン塗料 |
10~15年 |
25~32万円 |
33~43万円 |
ラジカル塗料 |
12~18年 |
28~38万円 |
37~51万円 |
フッ素塗料 |
15~20年 |
35~45万円 |
46~60万円 |
まとめ:チョーキング現象が起きたら外壁塗装をするサイン!優良業者に依頼して早めの対策を
チョーキング現象は、塗料の膜の劣化で起きるものです。
外壁材が保護されていない状態のため、放置しておくとカビやひび割れなどが起こり雨漏りの危険性もあります。
劣化症状がひどくなる前に早めに対策をしましょう。
チョーキング現象が起きたら外壁塗装をするサインです!
ただし、不安をあおってきたり契約を急がせるような業者には注意してください。
悪徳業者の可能性が高く、トラブルが発生する恐れがあります。
外壁塗装を依頼する場合は、あなたのことをきちんと考えて適切な対処をしてくれる「優良業者」に依頼しましょう。
ペイントセレクトでは、コンシェルジュがあなたの希望に沿った優良業者のみを紹介します!