外壁塗装のタイミングを知りたい!目安になる3つの基準を紹介
執筆者:ペイントセレクト編集長
塗装業界での長年の工事経験を元に、外壁塗装に関するお役立ち情報を発信中。読者様に正しい情報を届け、塗装に満足してもらうのが私の使命です。
外壁塗装のタイミングが分からず悩んでいませんか?ほとんどの人は「近所の塗装工事が増えた」「古びた印象になってきた」など、なんとなく外壁塗装の劣化を認識する程度だと思います。
塗装は年月の経過ととも劣化するため、定期的な塗装メンテナンスが欠かせません。しかし使用している塗料の種類や外壁材の種類、劣化症状や住居環境などによって最適な塗装時期は違ってきます。
そこで大切になるのが、塗装のタイミングにおける「目安」を知ることです。この記事では、外壁塗装のタイミングの目安となる3つの基準を紹介します。最後まで読むことで、あなたの自宅の外壁に適した塗装タイミングを知ることができます!
もくじ
外壁塗装は定期的に塗り替えが必要
外壁塗装はタイミングに合わせて定期的に塗り替えが必要です。塗料は、紫外線や雨風などのダメージを受けることで年々劣化していきます。
劣化した塗料は防水性などの効果を失うため、外壁材を守ることができません。紫外線や雨風などのダメージを直接受けた外壁材は次第に劣化し、ひび割れが起こる原因となります。
外壁がひび割れると雨水が侵入し、建物内部の腐食や雨漏りが起きる恐れもあります。外壁材だけではなく建物全体にも影響をおよぼす可能性があるため、塗料の効果が薄れる前に外壁塗装をすることが大切です。
外壁塗装はどのタイミングでおこなうのがいいの?
大切な自宅を守るために必要な外壁塗装。ではどのタイミングで塗装すればよいのでしょうか。外壁塗装の適切なタイミングを知るためには、3つの目安を基準に検討していきます。
- 「年数」を基準に塗装する
- 「季節」を基準に塗装する
- 「劣化症状」を基準に塗装する
外壁塗装は永久にきれいな状態を保つことはできません。どんなに優れた機能をもつ塗料でも、いつかは劣化して効果を発揮できなくなります。
以下で紹介する「3つのタイミング」を参考にして、あなたの自宅の外壁の状態に合わせた塗装プランを考えてみましょう。
タイミング1.「年数」を基準に塗装する
塗装のタイミングの目安は「年数」を基準に考えると判断しやすいです。基準にする「年数」には、以下の3つがあります。
- 家を建ててからの年数
- 前回外壁塗装をしてからの年数
- 外壁材の耐用年数
気候や環境の違いで劣化の症状や進行スピードに差が出ることもありますが、目安として「3つの年数」を基準に外壁塗装を検討してみましょう。
1-1.一般的な目安は築10年
一般的な外壁塗装は築10年が目安です。一般住宅の外壁塗装にはシリコン塗料が使用されていることが多く、塗料の耐用年数をふまえて「築10年」が塗り替え時期と言われています。
10年ごとに外壁塗装をすることで美観を保つことができ、劣化を最小限に防ぐことができます。建物を良い状態で維持できるため、資産価値を高めることも可能です。
外壁材や建物の劣化を防ぐために、塗料の効果が薄れる「築10年」を目安に外壁塗装を検討しましょう。
1-2.塗料の耐用年数を目安にする
現在塗装されている塗料の耐用年数を基準にすることも、塗り替えのタイミングを決める目安のひとつです。
塗料の種類によって耐用年数は異なります。一般住宅の外壁塗装で使用されることが多い5種類の塗料と耐用年数を見ていきましょう。
塗料の種類 |
耐用年数 |
アクリル塗料 |
5~7年 |
ウレタン塗料 |
6~8年 |
シリコン塗料 |
10~15年 |
ラジカル塗料 |
12~18年 |
フッ素塗料 |
15~20年 |
上記の表から分かるように、塗料によって耐用年数の差は10年以上もあります。自宅外壁に何の塗料が使用されているのかを確認して、それぞれの耐用年数を目安に外壁塗装を検討しましょう。
1-3.外壁材の耐用年数を目安にする
使用されている外壁材の耐用年数を基準にすることも、塗り替えのタイミングを決める目安のひとつです。
外壁材の種類によって「耐用年数」と「塗装メンテナンスを必要とする時期」が異なります。さらにサイディング外壁は4種類あり、それぞれ塗装時期の目安が異なります。
外壁材の種類 |
外壁材の耐用年数 |
塗装時期の目安 |
窯業系サイディング |
40年 |
7~8年 |
金属系サイディング |
40年 |
10~15年 |
木質系サイディング |
40年 |
8~12年 |
樹脂系サイディング |
40年 |
10~20年 |
ALC |
60年 |
10~15年 |
モルタル |
30年 |
8~10年 |
コンクリート |
60~100年 |
15~20年 |
どの外壁材の耐用年数も非常に長いですが、定期的に塗装メンテナンスをおこなうことで保てる年数となります。自宅の外壁材と比較して、外壁塗装を検討しましょう。
タイミング2.「季節」を基準に塗装する
塗装タイミングの目安は「季節」を基準に判断することもできます。外壁塗装は年中おこなえますが、気温や気候に影響されやすい工事です。
季節ごとのメリット・デメリットは以下の表のとおりです。
季節 |
メリット |
デメリット |
春 (3~5月) |
気温や湿度が安定していて |
春雨前線による天候悪化で |
夏 (6~8月) |
気温が高く塗料の乾きが早く |
6、7月は梅雨時期、8月は台風の影響で |
秋 (9~11月) |
気温や湿度が安定。 |
9月は台風の影響で |
冬 (12~2月) |
雨が少なく空気が乾燥。塗料が乾きやすい |
凍結・降雪で |
どの季節にもメリットはありますが、以下の「2つの季節」を参考にして外壁塗装を検討することをおすすめします。
2-1.外壁塗装に向いている季節は春と秋
気温や気候、天候が安定している春と秋は、外壁塗装のタイミングとして最適な季節です。
外壁塗装は「気温5℃以上」「湿度80%以下」の環境で作業することが適しており、この環境にぴったりの季節が春と秋です。
安定した気温は作業がしやすく、湿度が低く塗料が乾きやすいため外壁塗装に向いています。その一方で業者の繁忙期とも言える季節なので、あなたの希望通りのスケジュールが組めない可能性もあるでしょう。
依頼する際は、業者のスケジュールを確認する必要があります。
また地域によっては雪や台風の影響を受けやすい時期でもあるため、お住まいの地域の気候に合わせて検討してみてください。
2-2.業者が比較的空いている時期は冬~夏
春と秋は業者の繁忙期のため、冬~夏にかけては比較的空いている時期になります。
天候が不安定な時期だと工期が延びる可能性もありますが、業者のスケジュールに余裕があることで融通が利きやすいというメリットもあります。
特に1、2月は塗装業界の閑散期にあたり、スケジュールに余裕がある業者が多くなります。なるべく早く工事を終わらせたい場合や希望する日程がある場合は、1、2月に外壁塗装をすることもおすすめです。
ただしタイミングによってはお盆や年末年始の休みと重なることがあるため、通常よりも工事期間が長くなる可能性があることも頭に入れておきましょう。
タイミング3.「劣化症状」を基準に塗装する
塗装タイミングの目安は「劣化症状」を基準に判断することもできます。築年数や耐用年数の目安に達していなくても、外壁に劣化が見られる場合は塗装をするサインです。
紫外線や雨風のダメージを受けて劣化した塗料は、外壁を守ることができません。放置しておくと外壁が劣化し、さまざまな症状が起こる恐れがあります。
外壁の劣化度合で適する塗装タイミングや作業方法が変わるため、外壁の「劣化症状」は重要な判断基準と言っても過言ではありません。以下の「4つの劣化症状」が自宅外壁にが起きていないかチェックしてみてください。
3-1.チョーキング現象が起きている
チョーキング現象とは、塗料の寿命が原因で起こる劣化症状のことです。外壁を手で触ってチョークのような粉がついたら、チョーキング現象が起きていると判断できます。
塗料は紫外線や雨風に長期間さらされることで劣化し、塗料の成分が粉状になって表面に現れます。防水効果が失われているため、外壁を劣化要因から守ることができません。
放置しておくと外壁材に直接雨水が染み込み、以下のような症状が起こります。
- 塗装の剥がれや膨れ
- 外壁のひび割れ
- カビやシロアリの発生
- 雨漏りの発生
すぐに雨漏りが起きることはありませんが、チョーキング現象が起きたら外壁塗装を検討するタイミングと覚えておきましょう。
3-2.外壁にひび割れが起きている
外壁にひび割れが起きている場合も塗装するサインですが、ひび割れの大きさによって塗装のタイミングが異なります。主な外壁のひび割れは、以下の2種類があります。
ひび割れの種類 |
特徴 |
塗装時期の目安 |
ヘアークラック |
・塗料の劣化が原因 ・塗膜表面の小さなひび割れ ・ひび割れの初期段階 |
外壁塗装を検討し始める |
構造クラック |
・外壁材の劣化が原因 ・建物の壁や基礎部分に起こる大きなひび割れ |
早急な処置が必要 |
ヘアークラックならばすぐに外壁塗装をする必要はありませんが、放置しておくと構造クラックの原因になります。定期点検で様子を見ながら外壁塗装を検討し始めましょう。
構造クラックを放置すると、雨漏りや建物内部の腐食の原因になります。最悪の場合は建物倒壊の恐れがあるため、
早急にクラック補修と外壁塗装をする必要があります。
3-3.外壁の汚れやコケが目立つ
外壁の汚れやコケが目立ってきたら塗装をするタイミングです。塗装後数年は塗料の表面がツルツルしているため汚れがつきにくいですが、劣化が進むと表面がデコボコになり汚れがこびりついて落ちなくなります。
さらに防水機能も失っているため外壁材に雨水が染み込んでしまい、ジメジメした環境になってコケが繁殖しやすくなります。特に日の当たらない箇所は、注意してチェックしましょう。
汚れやコケは見た目が悪くなるだけではなく、放置しておくと外壁材を劣化させる原因になります。こびりついた汚れやコケは水洗いでは落とせないため、汚れやコケが目立ってきたら外壁塗装を検討し始めましょう。
3-4.シーリングの剥がれやひび割れが起きている
シーリングの剥がれやひび割れは、外壁材を劣化させる原因となります。外壁材自体に劣化症状が見られなくても、塗装タイミングの目安のひとつになります。
シーリングとは、サイディング材のつなぎ目、サッシや窓まわりに注入されているゴム材のことです。紫外線や雨水の影響で劣化します。
弾力のある素材で、外壁の収縮からひび割れを防ぐ役割をもっています。外壁材を長持ちさせるために必要不可欠なもので、劣化が起きた場合は早めの対処が必要です。
放置しておくと雨水が侵入し、外壁材を腐食させたりシロアリが発生する恐れがあります。建物内部まで雨水が侵入すると雨漏りにつながるため、外壁塗装と合わせてメンテナンスを検討しましょう。
外壁塗装は時期によって費用が安くなる場合もある
外壁塗装は時期によって費用が安くなる場合もあります。塗装工事には定価がなく、閑散期や気候などの状況次第でコストをおさえることが可能です。狙い目の時期は以下のとおりです。
- 梅雨時期や8月、12月~3月の冬は受注が減る傾向がある
- 利益が少ない閑散期は通常よりも安い費用で工事してくれる傾向がある
ただし季節や気候に合った施工をしてくれる業者を選ぶことや、養生(ビニールテープを貼り塗料がつかないようにすること)をするため、エアコンが使えないなどの注意が必要です。
コストをおさえて工事をしたい人は、経験豊富な業者に依頼して「費用が安くなる時期」に合わせて外壁塗装をするのもおすすめです。
関西にお住まいの方でしたら、ペイントセレクトを活用すれば、簡単に見積もりを依頼することができます。時期に関わらず、「どのくらいの費用がかかるか?」が気になる方は、ぜひ利用してみてください。
外壁塗装のタイミングは業者とよく相談して決めよう
外壁塗装をするタイミングも大切ですが、優良業者に施工してもらうことも大切なポイントです。
塗装工事は知識や経験、技術を必要とします。状況に合った適切な工事をしないと施工不良を引き起こす可能性があるため、以下のポイントを参考にして優良業者かどうかを見きわめましょう。
- 工事中に天候が悪化しても適切な判断をして工事を進めてくれる
- 施工時の状況に合わせてあらかじめスケジュールを組んでくれる
- しっかりとした説明がある
- 不安や疑問に丁寧に答えてくれる
コスト面だけを気にして業者を選ぶと、悪徳業者にひっかかる恐れがあります。劣化症状や季節などの状況を業者とよく相談して、外壁塗装をする時期を決めましょう。
まとめ:適切なタイミングで外壁塗装をして自宅を長持ちさせよう!
塗料には寿命があり、いつかは汚れやひび割れなどが起きてしまいます。劣化を防ぐためには定期的な塗装メンテナンスが必要です。
塗装タイミングの目安になる「年数」「季節」「劣化症状」を基準にして、外壁塗装を検討しましょう。特に劣化症状が見られる場合は、症状の度合に応じて早めに塗装メンテナンスをすることをおすすめします。
工事を依頼する際は知識や経験が豊富な優良業者を選び、状況に合った適切な塗装をすることが大切です。大切な自宅を長持ちさせるために、タイミングを選んで外壁塗装をしましょう。
なお、関西にお住まいの方でしたら、外壁塗装の適正価格を知るために、ペイントセレクトを活用してみてください。たくさんの業者の中からあなたにピッタリの業者を紹介してくれますし、悪徳業者との契約リスクも避けることができます!