【外壁塗装】その見積書危険かも?見方や注意点を徹底解説
外壁塗装のファーストステップとなる見積り依頼。あなたは業者からもらった見積書の内容をきちんと把握できていますか?
- 工事内容や金額などが適正範囲なのか
- 依頼した工事内容は含まれているか
- 外壁の状況に合った工事内容なのか
上記のような内容が把握できない見積書は危険かもしれません!細かい内容が不明なまま工事を進めると、手抜き工事や高額な請求をされるなどのトラブルに発展する恐れもあります。
契約前に不安や疑問を解消するためには
見積書の見方を知ることが重要
です。この記事では、見積書の見方や注意点を徹底解説します。見方の参考になる見積書例も紹介しますので、ぜひ活用してください。
もくじ
外壁塗装の見積書は「見方」を知っていると安心!
外壁塗装の見積書は、作業項目や費用など工事のすべてを把握できる大切な書類です。
外壁塗装には複数の工程がありますが、一般の人では細かい作
業まで知っている人は少ないかと思います。見積書を見ても、作業項目や費用などが適正なのかを判断するのは難しいですよね。
とは言え、内容を把握していないまま契約するのは危険行為。「一般の人には分からない」という部分につけこみ、必要な作業を省いたり高い費用を設定する”悪徳業者”は存在します。
見積書の見方を知っていれば、悪徳業者の被害を避けることができ安心です。
- 作業項目や費用などが適正なのかを判断できる
- 複数の業者の見積りを比べて費用相場を知れる
- 依頼内容がきちんと工事されているか確認できる
- 条件や希望に合った業者を選べる
後悔のない外壁塗装をするために、見積書の見方を覚えていきましょう。
見積書の内容とは?外壁塗装の工事項目別に紹介
外壁塗装はさまざまな作業をおこないますが、そのひとつひとつに重要な役割があります。
塗料の効果を発揮させるためには、必要な作業を正しい手順でおこなうことが大切です。
一般的な外壁塗装工事に必要な項目は以下の6つがあります。
- 足場設置
- 高圧洗浄
- 下地処理
- 外壁塗装
- 付帯部塗装
- 諸経費
それぞれの項目の内容を詳しく見ていきましょう。
工事項目1:高所作業に必要不可欠な「足場設置」
足場設置は、安全に高所作業するために欠かせない工事です。足場と同時に飛散防止ネットを設置して、高圧洗浄時の汚れや塗料などが飛び散らないための対策もします。
外壁塗装で主に使用する足場は、単管足場とビケ足場の2種類があります。
- 単管足場:鉄パイプを組み合わせて建てる足場。小規模工事や狭い場所で採用されることが多い
- ビケ足場:手すりや踏板などを取り付けれる足場。一般住宅の工事に採用されることが多い
費用はビケ足場の方が少し高いですが単管足場よりもしっかりした造りのため、ビケ足場を使用する業者が多いです。
足場設置の費用相場(30坪)
工事項目 |
単価(平方メートル) |
費用相場(平方メートル) |
足場仮設 |
600~800円 |
11万~14万円 |
飛散防止ネット |
100~200円 |
1.7万~3.4万円 |
工事項目2:外壁の汚れをきれいにする「高圧洗浄」
高圧洗浄は、外壁の汚れや古い塗料を水で洗い流す工事です。外壁と塗料の密着性を高くするための重要な作業です。
汚れが残ったまま塗装すると1年も経たないうちに塗料が剥がれる恐れがあるため、半日~1日かけて丁寧に洗浄していきます。コケやカビがひどいときは、薬品を使用したバイオ洗浄を使用する場合もあります。
高圧洗浄の費用相場(30坪)
工事項目 |
単価(平方メートル) |
費用相場(平方メートル) |
高圧洗浄 |
200~250円 |
2.6万~3.3万円 |
バイオ洗浄 |
250~300円 |
3.2万~3.9万円 |
工事項目3:外壁の劣化を補修する「下地処理」
下地処理は外壁の劣化を補修する工事で、塗料の耐久年数に関わる非常に重要な作業です。外壁の劣化症状に合わせて、以下の作業をおこないます。
- 外壁のサビを落とす【ケレン作業】
- 外壁のひび割れを補修する【クラック補修】
- 外壁材のつなぎ目を補修する【シーリング補修】
下地処理を適切におこなわなければ、塗装後1~3年で剥がれやひび割れなどの症状が起こる恐れがあります。
下地処理の費用相場
工事項目 |
費用相場 |
ケレン作業 |
600~1,000円/平方メートル |
クラック補修 |
1,700~2,500円/平方メートル |
シーリング打ち替え |
900~1,200円/メートル |
ケレン作業はサビや汚れの度合に応じて1~4種に分類されます。上記の表は、軽度のサビや汚れを落とす「3種ケレン」の単価です。
工事項目4:3回塗りが基本の「外壁塗装」
外壁塗装は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗りが基本です。それぞれの役割は以下のとおりです。
- 下塗り:外壁と塗料の密着性をよくするための塗料を塗布
- 中塗り・上塗り:仕上げとなる塗料を各1回ずつ塗装する
塗料の効果を十分に発揮させるためには、3回塗りをする必要があります。見積書に記載されていない場合は、必ず業者に確認しましょう。
外壁塗装の費用相場(30坪)
塗料の種類 |
単価(平方メートル) |
費用相場(平方メートル) |
ウレタン塗料 |
1,100~1,600円 |
14万~21万円 |
シリコン塗料 |
1,700~2,400円 |
22万~32万円 |
ラジカル塗料 |
1,900~2,400円 |
25万~32万円 |
フッ素塗料 |
3,200~4,200円 |
41万~55万円 |
工事項目5:細かい部位の塗装「付帯部塗装」
付帯部塗装は、雨どいや庇など外壁以外の細かい部位を塗装します。外壁塗装と同時におこなう人が多いです。
普段は意識しないような細かい部分ですが、外壁と同じように経年劣化します。付帯部の保護はもちろん、外観の印象を大きく変化させ美しい仕上がりになります。
付帯部塗装の費用相場
部位 |
単価 |
|
軒天 |
外壁から外側に出ている屋根の裏側 |
800~1,300円/平方メートル |
破風板 |
屋根の先端部分を隠すための板 |
800~1,300円/平方メートル |
鼻隠し |
雨樋が取り付けてある下地材 |
800~1,000円/メートル |
笠木 |
塀や手すりなどの頂部に施工する仕上げ材 |
400~800円/メートル |
雨どい |
雨水を排水する装置 |
600~1,300円/メートル |
換気フード |
換気口を覆っている天蓋 |
2,000~3,000円/個 |
建物には上記以外にもたくさんの付帯部があるため、詳細は塗装業者に確認してください。
工事項目6:塗装工事をするときに必要な「諸経費」
諸経費は材料費や工事費以外に必要なもので、現場管理費・一般管理費・業者の利益などが含まれます。
- 現場管理費:労務管理や収入印紙、保険などの費用
- 一般管理費:現場までのガソリン代や交通費、事務処理などの費用
- 業者の利益:請求金額から経費を引いた残り(業者の儲け)
諸経費は施工費の3~5%が一般的ですが業者によって異なるため、下記の表は目安として参考にしてください。
諸経費の費用相場
施工費 |
諸経費相場 |
50万円 |
1.5万~2.5万円 |
70万円 |
2.1万~3.5万円 |
100万円 |
3万~5万円 |
120万円 |
3.6万~6万円 |
なお、関西にお住まいの方で、外壁塗装の諸経費などが気になる方がいれば、ペイントセレクトを活用してみてください。たくさんの業者の中からあなたにピッタリの業者を紹介してくれますし、より安く、より安全に契約するためのサポートが受けられます。
その面積で正しい?基本公式と建坪別外壁面積を紹介
外壁塗装の費用は塗装する箇所の「面積」で求めます。【塗装する面積×塗料の単価=施工金額】この基本公式をしっかり覚えておきましょう。
下記の表は建坪別外壁・足場面積の早見表です。見積書に記載されている面積や費用が適正範囲かチェックしてみましょう。
坪数 |
外壁面積(平方メートル) |
足場面積(平方メートル) |
30坪 |
120~129 |
175~189 |
40坪 |
140~149 |
205~219 |
50坪 |
165~180 |
235~249 |
面積が大きすぎる場合は注意が必要です。費用を上乗せされている可能性が高いため、業者に確認したり相見積もりするなどして、悪徳業者の手口にひっかからないように気を付けましょう。
外壁塗装の見積書で注意するべきことは?
外壁塗装の見積書で注意してチェックすべき項目は5つあります。
- 塗料のメーカーと商品名が記載されているか
- どんな下地処理をおこなうのか
- 外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3回か
- 見積り単位に「一式」が多くないか
- 工程ごとに具体的に記載されているか
上記のポイントをおさえてチェックすることで、適切な工事なのか判断できます。業者選びにも役立つためしっかりと確認しましょう。
注意点1:塗料のメーカーと商品名が記載されているか
見積書を見るときの注意点1つめは、塗料のメーカーと商品名が記載されているかを確認することです。
塗料は種類によって単価が異なります。塗料名が記載されていない場合は、相場よりも高い費用で見積もられている可能性が高いため注意が必要です。
記載がない場合は業者に質問して、何の塗料が使われているのかを必ず確認しましょう。
注意点2:どんな下地処理をおこなうのか
見積書を見るときの注意点2つめは、どんな下地処理をおこなうのか確認することです。下地処理は塗料の耐久性に関わる重要な工程のため、下地処理の内容を入念にチェックしてください。
下地処理は見えない部分のため、手抜き工事をしたり省いてしまう業者もいます。以下のポイントを参考にして見積書を確認しましょう。
- 外壁の劣化について写真などで詳しく説明してくれる
- 劣化に合った下地処理を提案してくれる
- 説明と見積書の内容が一致している
- 説明のない業者は注意が必要
もしも見積書に「ケレン作業」や「クラック補修」など、下地処理の項目が記載されていない場合は、業者に確認をしてください。
注意点3:外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3回か
見積書を見るときの注意点3つめは、外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3回かを確認することです。
外壁塗装は3回塗りが基本で、3回以下になることはありません。きちんと塗装されていなければ、早期段階で塗料が剥がれるなど施工不良が起きます。
「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回が見積書に記載されているか、必ず確認をしましょう。業者によっては「下塗り」「上塗り2回」という表記の場合もありますが、同じ意味なので問題はありません。
注意点4:見積り単位に「一式」が多くないか
見積書を見るときの注意点4つめは、見積り単位に「一式」が多くないかを確認することです。
外壁塗装のほとんどの費用は面積で計算するため、単位を「一式」で表記される項目はほんの一部です。見積り単位に「一式」が多い場合は、手抜き工事や高い費用で見積もられている可能性が高いため注意してください。
何の工事をどれだけするのかも分からないし、費用相場との比較も難しくなります。他にも塗装する箇所としない箇所の区別がつかなく、言った・言わないのトラブルにもつながる恐れもあります。
見積書の単位は「一式」ではなく、塗装面積に対してどれだけの費用がかかるかを工事項目ごとに確認しましょう。
注意点5:工程ごとに具体的に記載されているか
見積書を見るときの注意点5つめは、工程ごとに具体的に記載されているかを確認することです。各工程ごとに具体的に記載されているかが大切なポイントになります。
「外壁塗装 一式 〇〇円」「足場工事 一式 〇〇円」など、大雑把に記載されている見積書は危険です。このような書き方では、細かい工事内容や費用内訳が把握できません。
外壁塗装工事は決して安いものではないため、各工程の内容と費用が明確に表記されているかを慎重に確認しましょう。
こんな見積書なら安心!外壁塗装見積書の例を紹介
ここまで紹介してきた見積書の見方のポイントや注意点などをふまえて、外壁塗装見積書の例を紹介します。
工事項目 |
数量 |
単位 |
単価 |
金額 |
|
1 |
足場仮設工事 ピケ足場 |
185 |
㎡ |
800 |
148,000 |
2 |
飛散防止シート |
185 |
㎡ |
200 |
37,000 |
3 |
下地処理 高圧洗浄 |
143 |
㎡ |
200 |
28,600 |
4 |
シーリング打ち替え 変性シリコン |
90 |
ⅿ |
1,000 |
9,000 |
5 |
外壁塗装(下塗り)塗料メーカー・商品名 |
143 |
㎡ |
700 |
100,100 |
6 |
外壁塗装(中塗り)塗料メーカー・商品名 |
143 |
㎡ |
650 |
92,950 |
7 |
外壁塗装(上塗り)塗料メーカー・商品名 |
143 |
㎡ |
650 |
92,950 |
8 |
破風板塗装 塗料メーカー・商品名 |
67 |
㎡ |
800 |
53,600 |
9 |
諸経費 |
1 |
式 |
30,000 |
30,000 |
以下のポイントを抑えていれば、安心です。
- 工事項目が細かく記載されている
- 面積や単位が細かく記載されている
- 外壁塗装は3回塗りになっている
- 外壁以外の塗装箇所が記載されている
- 塗料メーカーと商品名が記載されている
- 相場の範囲内の単価が設定されている
見積書の書式は業者によって異なりますが、上記のような内容が記載されている見積書ならば安心です。
まとめ:見積書は内容が重要!知識を身に付けて安心な外壁塗装をしよう
外壁塗装の見積書は、工事項目や面積、費用などが細かく記載されているかどうかが重要ポイントになります。安心できる見積書の定義は「工事内容のすべてが把握できる」ことです。
一式表記が多い、塗料メーカーや商品名が記載されていないなど、少しでも不明点ある場合は必ず業者に確認をしてください。見積内容が明確にされていない場合は、悪徳業者の恐れが高いです。
外壁塗装は決して安い工事ではありません。安心して工事を依頼できる優良業者を選びましょう。
なお、関西にお住まいの方でしたら、外壁塗装の適正価格を知るために、ペイントセレクトを活用してみてください。たくさんの業者の中からあなたにピッタリの業者を紹介してくれますし、悪徳業者との契約リスクも避けることができます!
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