外壁塗装でウレタンを選ぶメリットは何?欠点やシリコンとの比較も解説
執筆者:ペイントセレクト編集長
塗装業界での長年の工事経験を元に、外壁塗装に関するお役立ち情報を発信中。読者様に正しい情報を届け、塗装に満足してもらうのが私の使命です。
「外壁塗装ではウレタンが使われてるって聞いたけど、どんな特徴があるの?」「ウレタンと他の塗料は何が違うの?」と考えているあなたへ。
この記事ではウレタンのメリット・欠点を含めた特徴を徹底解説いたします!
さらに、気になるシリコン塗料との比較についても記載。塗料選びの参考にしてみてくださいね!
もくじ
そもそもウレタン塗料ってどんなもの?
ウレタンという言葉はあまり耳にしたことがなくても、ポリウレタンという言葉には聞き覚えがあるかもしれません。ポリウレタンは車両関係のクッション材や高級家具の仕上げ塗りに使われています。
ウレタン樹脂塗料とは、ポリウレタンを含む塗料のことです。ポリウレタンはイソシアネートとポリオールを化学反応させてできた樹脂で、弾性や密着性がある、という特徴があります。
従って、ウレタン塗料にも弾性や密着性があり、これらはウレタン塗料の大きな長所です。
ウレタン塗料は外壁塗装の塗料のグレードで言うと下から2番目です。外壁塗装の塗料のグレードは、下から順にアクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料、光触媒塗料となっています。
昔はアクリル塗料が主流でした。その後ウレタン塗料が出てきて、アクリルより耐久性が良いウレタン塗料を選ぶ人も多くいました。
しかし、今では、シリコン塗料やフッ素塗料が普及しており、特にシリコン塗料は人気を集めています。
それでは、ウレタン塗料の存在価値はどうなのでしょうか。どんな場合にウレタン塗料はオススメですか?見ていきましょう。
外壁塗装をウレタンで行うメリットは?5つ解説
ウレタン塗料にはいくつもの長所があります。
この記事では、
- 弾性がある
- 密着性がある
- 高級感を出せる
- 単価が安い
- その他の長所
について述べていきたいと思います。
ウレタン塗料のメリット1.弾性がある
弾性とは、スポンジやゴムのように弾力があって、外部から力を加えても元通りになろうとする性質のことです。
外壁の劣化しやすいところは、ひび割れ(クラック)ができるところです。ひびから雨水が浸入すると、建物は傷みだします。建物の劣化を防ぐには、クラックができにくくしたいものです。
ウレタン塗料は塗膜に弾性があるので、木造の家が収縮・伸長によって動いても、柔らかい塗膜がそれを覆ってクラックを防いでくれます。
これは大きなメリットです。
ウレタン塗料のメリット2.密着性がある
ウレタン塗料の2つ目の長所は、密着性の高さです。この場合の密着性とは、塗料が下地にかたく付く度合いのことをいいます。
外壁塗装において、密着性はとても重要です。塗料がはがれやすいと、美観を損ねるだけでなく、建物の劣化が早まるからです。
そのため、塗料がはがれにくいように、下塗り、中塗り、上塗り、と3回塗りをすることが必須となっているほどに、密着性は大切なのです。
ウレタン塗料は密着性が高いという特長を持っています。
それで、ウレタン塗料は、雨どいや雨戸など、凹凸が多く細かい付帯部分の塗装に適しています。
ウレタン塗料のメリット3.高級感を出せる
ウレタン塗料のメリットの3つ目は、高級感を出せるところです。ウレタン塗料は光沢があるため、その美しいツヤが、高級感をかもし出します。
先ほど、ウレタン塗料は高級家具の仕上げに使われることについても触れました。
実際、ウレタン樹脂の仕上がりを気に入り、家具やフローリングに塗る方は少なくありません。
外壁塗装でも、家の高級感を出したい方には、ウレタン塗料が向いています。
ウレタン塗料のメリット4.単価が安い
ウレタン塗料の長所の4つ目は、単価の安さです。グレードが下から2番目であるウレタン塗料は、アクリル塗料に次いで単価の安い塗料です。
ウレタン塗料の1㎡当たりの単価は、1,800円~2,000円です。
グレードが一つ上のシリコン塗料は1㎡当たり2,500~3,500円ですから、シリコン塗料に比べて2~4割安いということになります。
ただし、単価の安さ=コストパフォーマンスの良さではないことにご注意ください。
他の塗料の価格や特徴を知りたい方は、詳しくは、「外壁塗装における塗料の特徴・単価・選び方を種類別に解説!」をご覧ください。
ウレタン塗料のメリット5.その他の長所
ウレタン塗料にも様々な種類がありますが、高品質のウレタン塗料には、たくさんの長所があります。
低汚染性でエコである、という性質を持つウレタン塗料があります。
また、高品質のウレタン塗料はツヤの調節もできるので、あなたのお望みの見た目のツヤ感を出せます。
さらに、防藻・防カビ性能のあるウレタン塗料、透湿性(水蒸気を逃がす性質)のあるもの、ウレタン塗料でありながら耐久性の高いものなど様々です。
高品質なウレタン塗料でする外壁塗装は、優れた仕上がりになるでしょう。
しかし、どの塗料にも欠点はあります。次に、ウレタン塗料のデメリットについて見ていきましょう。
外壁塗装のウレタン塗料のデメリットとは?5つ解説
ウレタン塗料はグレードが下位のほうの塗料ですので、やはりいくつかの難点も存在します。
この記事では、
- 毒性が強い
- 耐用年数が短い
- 光沢保持率が低い
- 汚れが付きやすい
- その他の注意点
について述べていくことにしましょう。
ウレタン塗料のデメリット1.毒性が強い
ウレタン塗料に含まれる成分には、強い毒性があります。
まず、イソシアネート化合物には、目に入ると角膜を痛め、長い間吸い続けるとぜんそくや肺炎を起こす恐れがあります。
また、ウレタン塗料に使われている、Nメチルピロリドンという物質は、妊娠している女性の体内に吸収されると、胎児に悪影響を及ぼす恐れがあります。
こうした毒性の強さは、ウレタン塗料の大きなデメリットとなっています。
ウレタン塗料のデメリット2.耐用年数が短い
ウレタン塗料のデメリットの2つ目は、耐用年数が短い点です。
ウレタン塗料の耐用年数は、6~8年とされています。いくら単価、つまり1㎡当たりの価格が安くても、耐用年数が短いならコストパフォーマンス的にはあまり良いとは言えません。
短い期間に何度も塗り替えをしなければいけないからです。
1回の外壁塗装工事でかかる総費用のうち、塗料の占める割合は3割と言われています。人件費や足場代や諸経費が7割なのです。
3割の部分が低価格でも、7割の部分を何度も支払わなければならないなら、結局は非経済的になってしまうというわけです。
ウレタン塗料のデメリット3.光沢保持率が低い
メリットの項目でお伝えしましたように、ウレタン塗料の良いところの一つに、光沢があるので高級感を出せる、というポイントがありました。
しかし、ウレタン塗料には、その光沢が長くは続かない、という特徴があるのです。
光沢を保てる率のことを光沢保持率と言います。光沢保持率を測るために、強い人工の光を様々な種類の塗料に当て続けて実験し、数値を求めます。
その結果、ウレタン塗料の光沢保持率は、シリコン塗料の光沢保持率の8割程度であるというデータが出ました。
やはり、耐用年数が短い分、劣化も早いということで、光沢保持率も低いのです。これがウレタン塗料のデメリットの3つ目です。
ウレタン塗料のデメリット4.汚れがつきやすい
汚れが付きやすいところも、ウレタン塗料の欠点です。
これも耐用年数の短さとリンクしている点ですが、ウレタン塗料は数年で家全体に汚れが付き、古びた外観になってしまうのです。
しかし、近年、高品質のウレタン塗料の中には、防汚性に優れた製品も出てきています。
汚れの付きやすさをクリアしているウレタン塗料もありますので、この点だけを考えてウレタン塗料を避ける必要はないでしょう。
ウレタン塗料のデメリット5.その他注意点
その他、ウレタン塗料を使用する際に気をつけたい点をいくつかご説明いたします。
まず、ウレタン塗料は水との相性が非常に悪い、という点が挙げられます。水を含むと、ウレタン塗料の塗膜性能が落ちてしまいます。
ですので、湿気の多い梅雨の時期などにウレタン塗料を塗布するのは避けたいところです。
次に、耐用年数の違いに気をつける、という点をご説明します。
外壁はグレードの良いシリコン塗料にして、軒天や雨どい、戸袋などの付帯部は価格を抑えるためにウレタン塗料にする、というプランを勧めてくる業者もいます。
一見良さそうに思えるかもしれませんが、耐用年数の違いが問題になります。一部だけウレタン塗装にしますと、そこが先に劣化します。
だからといって、劣化した部分だけ先に塗り替えをして、2~3年後に外壁の塗り替えをまたする、というのでは、足場代が余計かかり、コストパフォーマンスが非常に悪いのです。
どうしたらよいか迷ったら、プロに相談するのが一番ですが、良い業者を見極めるのも難しいものですね。
関西地方にお住まいでしたら、ペイントセレクトのご利用をおすすめします。
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気になる!ウレタンとシリコンとを比較すると?
それでは、ウレタン塗料とシリコン塗料、どちらを選ぶのが賢いのでしょうか。
気になるところですね。シリコン塗料は塗料の種類の中で一番人気を誇ります。コストパフォーマンスが優れているからです。そこで、ウレタン塗料と、シリコン塗料とを比べてみましょう。
ここではまず、1年あたりのコストパフォーマンスの観点から検証します。次に、シリコン塗料のほうが優れている点にフォーカスします。
一つずつ見ていきましょう。
ウレタンとシリコンとの比較1.一年あたりの費用
1年あたりのコストパフォーマンスを一目で把握するために、表にしてみましょう。外壁塗装の総費用を耐用年数で割っています。この表は40坪の家を想定して計算しています。
塗料の 種類 |
総費用 |
耐用年数 |
1年あたり の費用 |
ウレタン 樹脂塗料 |
72~ 92万円 |
6~8年 |
12万円
|
シリコン 樹脂塗料 |
8~ 110万円 |
10~15年 |
8万3千円 |
ご覧のように、シリコン塗料のほうが、1年で3万7千円もお得なのです。
もちろんこの数字は目安にすぎず、外壁塗装の費用はケースバイケースではありますが、参考にはなる計算です。
ウレタンとシリコンとの比較2.シリコンのほうが優れている点
先ほどウレタン塗料は汚れやすいとお伝えしましたが、シリコン塗料は逆に汚れを寄せ付けない性質を持っています。
この点でウレタン塗料よりシリコン塗料のほうが優れています。
また、光沢保持率もウレタン塗料よりシリコン塗料のほうが上ですので、汚れにくいという点も合わせて考えますと、長く美観を保つにはシリコンのほうが良い、と言えるでしょう。
結局、ウレタン塗料・シリコン塗料オススメする人とは
結論として、次のような方にはウレタン塗料がオススメです。
- 頻繁に外壁を塗り替えて気分を変えたい人
- 木部に光沢を出して高級感を演出したい人
- モルタルなどひび割れしやすい材質の外壁の家の人
- 10年以内に建て替え、売却を考えている人
次のような方にはシリコン塗料がオススメです。
- コストパフォーマンスの良さを求める人
- 初めて外壁塗装をする人
- 耐候性・耐久性を優先したい人
- どの塗料にすればいいのか全く分からない人
シリコン塗料は現時点でもっとも選ばれている塗料ですので、多くの方にはシリコン塗料が向いているといえるでしょう。
人気塗料ランキングについては以下の記事をご覧ください。
参考記事:外壁塗装の種類別塗料人気ランキング!あなたにおすすめしたいのはこれ!
まとめ:外壁塗装の塗料に迷ったらプロに相談しましょう
ウレタン塗料の長所と短所、ウレタン塗料とシリコン塗料との比較についてご説明してきました。
でも、「この記事を読んでも、やっぱりどうすればいいのか迷ってしまう…。どの塗料を選べばいいの?」と思われる方もいらっしゃることと思います。
迷ったら、プロに相談するのが一番です。
関西地方にお住まいでしたら、ぜひペイントセレクトへご相談ください。
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