外壁塗装のスタッコ仕上げとは?塗装メンテナンスの注意点を解説
執筆者:ペイントセレクト編集長
塗装業界での長年の工事経験を元に、外壁塗装に関するお役立ち情報を発信中。読者様に正しい情報を届け、塗装に満足してもらうのが私の使命です。
スタッコ仕上げはデザイン性が高く、和風住宅にも洋風住宅にもマッチする外壁です。重厚感あふれる仕上がりは、多くの人に好まれています。
美しいデザインや重厚感を維持するためには、定期的な塗装メンテナンスが必要です。
この記事では、スタッコ仕上げの外壁塗装についてまとめました。スタッコ仕上げの特性やメンテナンスの注意点を知って、適切な塗装メンテナンスをおこないましょう。
ぜひ参考にしてくださいね。
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もくじ
外壁仕上げ材「スタッコ」の特徴や費用を紹介
スタッコとは、モルタル外壁の装飾に使われる定番の仕上げ材です。セメントや石灰、水などを混ぜたもので、化粧漆喰とも呼ばれています。
立体感のある模様で、重厚感があるデザインが特徴です。カラーバリエーションも豊富で、和風住宅にも洋風住宅にもマッチします。
スタッコ仕上げ和風住宅のイメージ
画像引用:山口県防府市外壁・内壁塗装施工|株式会社ワイヤード
スタッコ仕上げ洋風住宅のイメージ
画像引用:山口県防府市外壁・内壁塗装施工|株式会社ワイヤード
スタッコの施工方法には「吹き放し仕上げ」と「ヘッドカット」の2つがあります。
施工 方法 |
特徴 |
費用 |
吹き放し 仕上げ |
・吹き付けガンで 外壁に吹き付ける工法 ・凹凸が大きく立体感 のある仕上がり ・ヘッドカットより 施工期間が短い |
約2000〜4250円/㎡ 例:30坪の場合は 約24〜51万円 (※30坪120㎡で算出) |
ヘッド カット |
・吹き付けた後に、 表面をコテやローラー で押さえる工法 ・独特の模様になり デザイン性が高まる ・手作業で押さえる ため時間や費用がかる |
約3200〜8000円/㎡ 例:30坪の場合は 約38〜96万円 (※30坪120㎡で算出) |
ヘッドカットは手間や費用がかかるため、注文住宅で採用されることが多い工法です。手軽に施工したい場合は、吹き放し仕上げをおすすめします。
また、見た目は似ていますが”リシン仕上げ”とは違うものです。スタッコ仕上げは塗料の膜が厚いため、リシン仕上げに比べて耐久性に優れています。
スタッコかリシンかを判断する方法は「手触り」です。リシン仕上げはザラザラした手触り、スタッコ仕上げは比較的なめらかな手触りと覚えておきましょう。
スタッコ仕上げのメリット・デメリットとは?
スタッコは、古代ヨーロッパで生まれた塗装技術です。日本ではモルタル外壁の装飾として、人気が広がりました。
近年はサイディング外壁が主流になっていますが、スタッコの高級感ある仕上がりを好む方も多くいます。
サイディング外壁についてくわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
参考記事:サイディング外壁を塗装するなら覚えておくべき5つのポイント
デザイン性が高いため「他の家とは一味違う外壁に仕上げたい」という方には、ぴったりの外壁塗装ですよ。
そんなスタッコ仕上げには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。以下で詳しく説明します。
スタッコ仕上げのメリットを2つ紹介
スタッコで外壁を仕上げるメリットは、以下の2つがあります。
- 意匠性が高い
- 塗膜に厚みがあり耐用年数が長い
スタッコ仕上げは凹凸が大きく、立体感のあるデザインに仕上がります。ヘッドカット工法を用いれば、より高級感や重厚感のあるデザインになるでしょう。
また塗料の膜が厚いため、紫外線や雨風の影響に強いこともメリットです。耐用年数は約10年で、長期間きれいな状態を保つことができます。
スタッコ仕上げのデメリットを2つ紹介
スタッコで外壁を仕上げるデメリットは、以下の2つがあります。
- 汚れやすい
- 凹凸が深いため多くの塗料を使用して塗装する
大きめの凹凸はデザイン性に優れていることがメリットでしたが、隙間に汚れが溜まってしまうためデメリットにもなります。きれいな状態を保つためには、定期的な洗浄が必要です。
また凹凸が深いため、塗装メンテナンスでは多くの塗料を使用しなければいけません。フラットな外壁に比べて、およそ3倍の塗料を必要とします。
これらのデメリットは、外壁の劣化症状につながりやすいものです。どのような劣化症状なのか、次の章で詳しく見ていきましょう。
スタッコ仕上げの外壁に起こりやすい劣化症状とは?
スタッコ仕上げの特徴でもある大きめの凹凸は、劣化症状を引き起こすケースもあります。この章では、スタッコ仕上げの外壁に起こりやすい4つの劣化症状を説明します。
- 汚れが溜まって落ちない
- ひび割れが起こりやすい
- 塗料の剥がれが起こりやすい
- 塗膜の膨れが起こりやすい
なぜこのような劣化が起こりやすいのか、以下で詳しく見ていきましょう。
劣化症状1.汚れが溜まって落ちない
1つめの劣化症状は、汚れが溜まって落ちないことです。
フラットな外壁に比べて、凹凸があるスタッコは汚れが溜まりいやすい外壁です。雨だれやホコリ、排気ガスなどの汚れが入り込みやすく、どんどん蓄積していきます。
外壁の汚れは美観を損ねるだけではなく、塗膜の劣化につながります。塗膜とは塗装表面にできる膜のことで、紫外線や雨水から外壁を守る役割があります。
しかしバリア機能を失った外壁はひび割れを起こし、やがて雨漏りが発生する恐れがあるのです。
汚れを放置してしまうと、水洗いだけでは落とせなくなります。ご自身でこまめに水洗いしたり、業者に高圧洗浄を依頼したりと、定期的なお手入れを心掛けましょう。
劣化症状2.ひび割れが起こりやすい
2つめの劣化症状は、ひび割れが起こることです。
スタッコは、乾燥による収縮や地震などの揺れでひび割れしやすい外壁です。紫外線や雨風のダメージを受け続けることで、柔軟性が失われることが原因になります。
スタッコ仕上げは、内部に防水シートを敷く施工をします。そのためひび割れが発生しても、すぐに建物内部に雨水が侵入することはありません。
しかし放置したままでは防水シートの耐久性が落ち、雨水が侵入してしまう恐れがあります。
「小さいひび割れだから大丈夫だろう」と安易に判断せず、早めに専門業者に調査・補修を依頼しましょう。
外壁塗装のひび割れについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
参考記事→外壁塗装のクラック(ひび割れ)の原因は?早めの補修や塗装で自宅を守ろう
劣化症状3.塗料の剥がれが起こりやすい
3つめの劣化症状は、塗料の剥がれが起こることです。
どんなに耐久性に優れていても、経年劣化によりいつかは塗料が剥がれてきます。スタッコ仕上げも、月日が経てば剥がれてくるのは仕方ありません。
注意するべきなのは「施工不良」による塗料の剥がれです。
スタッコが剥がれる理由のひとつに、外壁と塗料の密着性が悪いことがあげられます。スタッコに適した下塗り材を使用しなければ、施工後すぐに剥がれてくる可能性があります。
また、ひび割れなどの下地処理を適切におこなっていない場合も、早期に剥がれが起きる原因です。
スタッコ仕上げの知識を持った業者に依頼するようにしましょう。
劣化症状4.塗膜の膨れが起こりやすい
4つめの劣化症状は、塗膜の膨れが起こることです。
塗料の剥がれと同じく、施工不良によって塗膜が膨れる恐れがあります。
スタッコの凹凸は、空気が溜まりやすい場所です。凹凸に空気が残ったまま塗装すると、太陽光などで温まった空気が塗膜を押し上げて膨れてしまいます。サイディングなど断熱性が高い外壁材への塗装も、熱により膨れやすいです。
また、高圧洗浄後に十分に乾燥させずに塗装すると、水蒸気で膨れが起こりやすくなります。
塗膜の膨れは保護機能を失っている状態です。放置しておくと外壁材の劣化につながるため、早めに専門業者に外壁塗装を依頼しましょう。
なお、関西にお住まいの方でしたらペイントセレクトで専門業者を探してみてください。多くの業者の中から、スタッコの知識がある業者を探すことができます。相見積もりも簡単に取れるので、悪徳業者との契約リスクも避けることが可能です。
スタッコ仕上げの外壁を塗装メンテナンスする注意点は?
スタッコ仕上げの塗装メンテナンスは、他の外壁塗装とは異なったスタッコ特有の注意点があります。
- 塗料の使用量が多いため見積書は入念にチェックする
- 汚れが十分に落とせる洗浄方法になっているかチェックする
外壁塗装は何十万円もの費用がかかります。後悔しないためにも、塗装前に注意点を把握しておくことが大切です。
それぞれの注意点を、以下で詳しく見ていきましょう。
注意点1.塗料の使用量が多いため見積書は入念にチェックする
1つめの注意点は、塗料の使用量が多いため見積書は入念にチェックすることです。
デメリットでも説明したとおり、スタッコ仕上げは凹凸が深いため、塗装メンテナンスには多くの塗料を使用します。
塗料の使用量はフラットな外壁のおよそ3倍。他の外壁よりも塗料代がかさむことを覚えておきましょう。
中には、塗料を規定以上に薄めて使用する悪徳業者もいます。メーカーの規定どおりに希釈しなければ、本来の効果を発揮できず耐久性を維持できません。
スタッコ仕上げの外壁塗装をメンテナンスする際は、塗料の使用量が適切か見積書を入念にチェックしましょう。
塗料の使用量は、メーカーのカタログやホームページで確認することができます。
注意点2.汚れが十分に落とせる洗浄方法になっているかチェックする
2つめの注意点は、汚れが十分に落とせる洗浄方法になっているかチェックすることです。
スタッコの凹凸は汚れが溜まりやすく、月日が経つほどに汚れが落ちにくくなります。通常の汚れならば、高圧洗浄で丁寧に洗浄すれば落ちることが多いです。
しかしカビやコケがひどい場合は、高圧洗浄だけでは完全に落とすことができません。
カビやコケは、外壁の奥深くに根を張って繁殖します。外壁表面の汚れを取り除いても、根っこが残っていたらまた繁殖を繰り返します。カビの根を殺菌できる「バイオ洗浄」をして、根本から汚れを取り除きましょう。
塗装前に外壁の汚れをきちんと落としていないと、施工不良を引き起こしてしまいます。自宅外壁の汚れに適した洗浄方法なのか、事前にチェックすることが大切です。
スタッコ仕上げの外壁塗装はどんな業者に依頼すればいい?
外壁塗装を成功させるための最大のポイントは、業者選びと言っても過言ではありません。
ここまで紹介してきたスタッコ仕上げのメリットやデメリット、塗装メンテナンスの注意点をふまえて、信頼できる業者を探すことが大切です。
この章では、業者選びの3つのポイントを紹介します。優良業者を選ぶための参考にしてくださいね。
ポイント1.見積書に使用缶数が明記してある
業者選びのポイント1つめは、見積書に使用缶数が明記してあることです。
塗料は1缶あたりの塗装面積が決まっています。自宅外壁の面積と比較して、適切な使用缶数が見積書に記載されているかチェックしましょう。
1缶あたりの塗装面積は、メーカーのカタログやホームページで確認できます。塗料の使用量が多いスタッコ仕上げは、記載されている塗装面積の3分の1で計算してみてくださいね。
見積書に塗料の使用缶数が記載されていない、1缶あたりの塗装面積より少ない場合は、必ず業者に確認を取りましょう。
どれくらい塗料を使用するのか、丁寧に説明してくれる業者を選ぶことがポイントです。
外壁塗装の見積書について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
参考記事:【外壁塗装】その見積書危険かも?見方や注意点を徹底解説
ポイント2.現場調査を丁寧におこなってくれる
業者選びのポイント2つめは、現場調査を丁寧におこなってくれることです。
現場調査は、適切な施工をするために欠かせない作業です。現場調査がいい加減では、適切な塗装がおこなえず施工不良の原因になります。
現場調査にかかる時間は1~2時間前後です。現場調査が早すぎる場合は、手抜き工事をされる恐れがあります。
調査結果は口頭説明だけではなく、報告書や写真を提出してもらうようにしましょう。質問などにも丁寧に答えてくれる業者なら信頼できる業者です。
ポイント3.適切な下地処理をおこなってくれる
業者選びのポイント3つめは、適切な下地処理をおこなってくれることです。
外壁塗装にとって、もっとも重要な工程は下地処理です。適切な下地処理をおこなわなければ、仕上がりの美しさや耐久性に大きく影響します。
高圧洗浄やクラック補修など、下地処理の項目は必ずチェックしましょう。
下地処理の内容と施工面積が細かく記載されている見積書なら安心です。
一方で一式表記の見積書は危険です。見えない部分の作業なので、手抜き工事をされる恐れがあります。
疑問点がある場合は、事前に業者に確認するようにしましょう。
まとめ:スタッコの特性を理解した業者に外壁塗装を依頼しよう
スタッコ仕上げの外壁を塗装メンテナンスするためには、スタッコの特性を理解した業者に依頼することが成功のポイントです。
業者を選ぶときは必ず相見積もりを取りましょう。
複数社で見積もりを取ることで、適切な作業内容や適正価格を判断することができます。
なお、関西にお住まいの方でしたらペイントセレクトで専門業者を探してみてください。多くの業者の中から、スタッコの知識がある業者を探すことができます。
相見積もりも簡単に取れるので、悪徳業者との契約リスクも避けることが可能です。