【令和3年度】外壁塗装の補助金を受け取る条件や注意点
執筆者:ペイントセレクト編集長
塗装業界での長年の工事経験を元に、外壁塗装に関するお役立ち情報を発信中。読者様に正しい情報を届け、塗装に満足してもらうのが私の使命です。
何十万ものお金がかかる外壁塗装工事。
少しでも費用を安くおさえたいと考える人は多いでしょう。
そこで活用できるのが「助成金・補助金制度」です。
外壁塗装では、国や自治体が実施している助成金や補助金を受けることができます。
しかし誰でも助成金や補助金を受けられるわけではありません。
自治体ごとに条件や申請方法などが細かく決められているため、「手間がかかる」「難しい」などと感じる人もいるでしょう。
この記事では
・外壁塗装の助成金や補助金を受けるための条件や申請方法
・助成金を申請するときの注意点や疑問点
こういった内容を詳しく解説していきます。
ご自宅の外壁塗装工事にかかる費用の負担を減らすために、申請前に助成金や補助金の活用ポイントをおさえていきましょう。
もくじ
外壁塗装の補助金を受け取る条件や注意点
外壁塗装の助成金や補助金は、国や自治体が実施している制度です。
貸付ではないため返済の必要はなく、工事が完了したらお金を受け取ることができます。
国や自治体が助成金・補助金制度を実施するのは、ただ単に住民の工事費用の負担を減らすためだけではありません。
地元業者への工事依頼を増やして「地域経済の活性化」を図ることや、省エネリフォームを推進して「地球温暖化やヒートアイランド現象の防止」につなげることを目的としています。
また、助成金と補助金は異なる制度になります。それぞれの違いは以下の表のとおりです。
助成金 |
・条件を満たしていれば受け取れる ・定員人数や申請期間の定めがない場合が多い |
補助金 |
・受給審査があり、審査が通った場合のみ受け取れる ・定員人数や申請期間が定められている |
それぞれどのような条件があるのか、次の章で詳しく見ていきましょう。
外壁塗装で助成金(補助金)を受けるための条件とは?
外壁塗装で助成金や補助金を受け取るための条件はいくつかあります。
しかし内容は各自治体によって異なるため、一般的によく見られる条件を3つ紹介します。
- 省エネリフォームの工事
- 助成金制度を実施している地域の住民
- 対象地域内の業者が施工
3つの条件について以下で詳しく解説します。あなたが検討している外壁塗装工事に当てはまるのかを、しっかり確認していきましょう。
ただし以前に同一の助成金を受けたことがある場合は、申請・受給の対象外となるため注意が必要です。
条件1.省エネリフォームの工事
1つめの条件は「省エネリフォームの工事」であることです。
省エネリフォーム工事とは、地球温暖化やヒートアイランド現象をおさえることを目的とした工事のことです。
※ヒートアイランド現象:コンクリート地面などの人工的構造物やエアコン・自動車などの人工的排熱が原因で、都市部の気温が郊外よりも高くなる現象
これらの現象を緩和するための省エネリフォーム工事として、外壁塗装では「遮熱塗料」または「断熱塗料」を使用しての工事が対象となります。
それぞれの塗料の効果や特徴は、以下の表のとおりです。
塗料の種類 |
塗料の効果・特徴 |
遮熱塗料 |
・太陽光(近赤外線)を反射する力が強い塗料 ・外壁温度の上昇をおさえて、室温の低下に効果がある ・夏場の電気使用量の減少が期待できる ・正式名称は「高日射反射率塗料」と呼ぶ |
断熱塗料 |
・太陽熱を塗料の膜にため込み熱の伝達を抑える塗料 ・室内環境を整える(夏は涼しく・冬は暖かく) ・夏場・冬場の電気使用量の減少が期待できる ・ガラス、セラミック、樹脂等が塗料の中に含まれており断熱層の役割をしている |
ウレタン塗料やシリコン塗料などの一般塗料では省エネリフォーム工事にならないため、申請・受給の対象外となります。
条件2.助成金制度を実施している地域の住民
2つめの条件は「助成金制度を実施している地域の住民」であることです。
助成金制度は各地域の自治体が実施しているため、管轄地域に住んでいる人を対象としています。
ただ住んでいるだけではなく、以下の条件を満たしている人が申請対象となります。
- 地域内で住民登録(住民票の届け出)をしている
- 地域内に住居があり、なおかつ所有者である
- 住民税や固定資産税などの税金を滞納していない
自治体の地域内に居住していることが基本条件となりますが、一部の自治体では今後転入することを条件に補助金を上げてくれるケースもあります。
引越後に塗装工事を検討している人は補助金対象となる場合があるため、転入先の自治体や市町村役場の窓口へ確認してみましょう。
条件3.対象地域内の業者が施工
3つめの条件は「対象地域内の業者が施工」することです。
施工業者に対する条件は自治体によって異なります。
条件がある場合は、以下のような項目になります。
- 地域内に本店・支店がある法人または個人事業主の業者
- 補助金組合に所属していないと申請・受給対象にならない場合がある
その他にも細かい条件を設定している自治体もあるため、工事を依頼する前に必ず確認をしてください。あなたが条件を満たしていても、依頼した施工業者が対象外では意味がありません。
申請のための準備や手続きは、手間がかかるものです。
せっかく時間をかけたのに申請できなければ、ショックは大きいでしょう。
そのため、いきなり業者に頼むのではなく、相見積もりをとりつつ、事前に施工業者が助成金制度の対象になるか?ならないか?を知っておきましょう。
関西にお住まいの方限定のサービスにはなりますが、ペイントセレクトを活用すれば、見積もりを取る際に、施工業者が助成金制度の対象になるか?ならないか?を同時に調べることができます。
次の章では、外壁塗装助成金の申請~受け取りまでの流れと注意点を詳しく解説します。
スムーズに申請・受給できるように、ポイントをしっかりおさえましょう。
外壁塗装助成金の申請~受け取りまでの流れとは?3つの注意点も紹介
外壁塗装助成金の申請~受け取りは、以下の流れで進めていきます。
- 申請書作成(申請者記入欄と施工業者記入欄がある)
- お住まいの自治体に申請書と必要書類を提出
- 自治体が申請内容を確認(住所や税金滞納の有無など)
- 助成金・補助金の交付決定
- 塗装工事開始(工事期限は交付決定後3ヶ月以内)
- 塗装工事終了後に施工写真と報告書を提出
- 助成金・補助金交付請求書を提出
- 助成金・補助金の交付(請求書受理後2~3週間に口座振込)
助成金制度を申請する際は、条件に該当しているか、書類の記入漏れがないかを十分に確認することがポイントです。
また書類提出や工事には期限が定められているため、早めの手続きを心掛けましょう。
以下では、申請する際に特に注意するべきことを3つ詳しく解説します。
注意点1.申請~認定まで時間がかかる
1つめの注意点は「申請~認定まで時間がかかる」ことです。
申請~認定までの期間は約3週間かかるため、余裕をもって手続きするようにしましょう。
申請時にはさまざまな書類を提出する必要があります。
準備に手間がかかる書類もあるため、事前に必要書類を把握しておくと安心です。
申請時に必要な書類は以下のとおりです。
- 工事場所の写真や見取り図
- 塗装する建物の平面図と立面図
- 工事の見積書の写し
- 施工面積や数量などの算出根拠(計算式が分かるもの)
- 使用塗料の機能性が証明できるもの(カタログなど)
- 納税証明書
自治体や状況によっては必要となる書類が異なる場合があるため、詳細は必ず確認してください。
スムーズに申請をするためには念入りな準備が大切です。助成金制度の内容や条件を十分に把握して、手続きを進めましょう。
注意点2.予算制度がなくなると終了するケースもある
2つめの注意点は「予算制度がなくなると終了するケースもある」ことです。
助成金や補助金制度は、予め予算が決められていることがほとんどです。
申込みが多ければ予算がなくなるため、申請前に自治体のホームページで実施状況を確認してください。
万が一申請できなかった場合は、翌年度にあらためて助成金制度をチェックすることをおすすめします。
同じ内容の制度が実施されることもあるため、塗装時期を遅らせることもひとつの方法です。
該当する助成金制度を見つけたら、早めに申請するように心掛けましょう。
注意点3.工事が始まる前に申請をする
3つめの注意点は「工事が始まる前に申請をする」ことです。
助成金制度は申請期限が決まっており、工事中や工事後の申請は受け付けてもらえません。
申請期限は自治体のホームページで確認できます。
十分に確認したうえで、工事開始のタイミングなどを施工業者と相談するように注意してください。
どれだけ条件を満たしていても、タイミングを間違えたら申請ができません。
規定どおりに申請できるように、しっかり準備をしましょう。
外壁塗装の助成金で受け取れる金額とは?助成金制度の例も紹介
外壁塗装の助成金や補助金で受け取れる金額は、自治体によってバラバラです。
一般的な目安としては、支援率10~25%、上限は20万円ほどです。
金額が気になる人は、地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和元年度版)やお住まいの地域の市区町村のホームページで調べることができます。
市区町村窓口に直接問い合わせることも可能です。
以下は実際の助成金制度の例になります。目安として参考にしてください。
例1.兵庫県明石市「明石市住宅リフォーム助成事業」
対象工事 |
省エネルギー対策工事の実施 省エネルギー設備の設置 その他対象工事あり |
補助対象となる費用 補助率等 |
工事費用の総額に応じて決定(工事経費が20万円以上の工事) 工事費用の10% 上限10万円 |
ホームページ |
参照URL:地方公共団体における住宅リフォームに関する支援制度検索サイト
例2.東京都台東区「窓・外壁等の遮熱・断熱改修助成制度」
対象工事 |
省エネルギー対策工事の実施 |
補助対象となる費用 補助率等 |
工事費用の総額に応じて決定 工事費用(税抜)×20% 上限額15万円 |
ホームページ |
参照URL:地方公共団体における住宅リフォームに関する支援制度検索サイト
例3.神奈川県横浜市「住まいのエコリノベーション補助制度」
対象工事 |
省エネルギー対策工事の実施 省エネルギー設備の設置 |
補助対象となる費用 補助率等 |
使用する材料量に応じて補助額を決定 一般改修住宅:上限額40万円 特定改修住宅:上限額80万円 |
ホームページ |
参照URL:地方公共団体における住宅リフォームに関する支援制度検索サイト
例4.長野県大町市「大町市住宅性能向上リフォーム支援事業」
対象工事 |
省エネルギー対策工事の実施 省エネルギー設備の設置 その他対象工事あり 20万円以上の住宅性能向上工事費を含む住宅リフォーム工事 |
補助対象となる費用 補助率等 |
特定の工事の工事費用に応じて決定 対象工事費の20%以内(千円未満の端数は切り捨て) 限度額20万円 |
ホームページ |
参照URL:地方公共団体における住宅リフォームに関する支援制度検索サイト
外壁塗装の助成金を利用するなら業者選びも大切
外壁塗装の助成金や補助金を利用するなら、業者選びも大切なポイントになります。
制度の規定や条件は細かく自治体によって異なるため、ご自身だけで手続きをするのは不安になることもあるでしょう。
助成金制度を利用したことのある業者を選ぶと、以下のようなメリットがあります。
- 相談にのってくれたりアドバイスを受けれる
- 申請書の書き方を教えてくれる
- 書類の準備の手助けをしてくれる
- 申請に支障がないタイミングで着工日や工期を調整してくれる
施工業者のサポートを受けることができれば、申請漏れやミスなどの心配も減るかと思います。
申請手続きを代行してくれる業者もあるため、問い合わせをしてみることをおすすめします。
ただし個人情報を業者が扱うことになるため、信頼できる業者を選びましょう。
まとめ:お住いの地域の助成金制度を調べてお得に外壁塗装しよう
外壁塗装では助成金や補助金を受けることができます。
自治体により条件や金額が異なるため、十分に確認をしてから手続きをおこなうようにしてください。
お住まいの地域の助成金制度は、地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和元年度版)やお住まいの地域の市区町村のホームページで調べることができます。
工事費用の負担を減らして塗装するために、あなたの自宅に合った助成金制度を調べてみてくださいね。
助成金制度を活用して外壁塗装をする場合は、信頼できる業者に依頼することを忘れないようにしましょう。
また、関西にお住まいで、外壁塗装の見積もりをしたい方、助成金を利用したいと考えている方は、ペイントセレクトを活用してみてください。
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